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“知らなかった”
そんなの聞いてない。
どういうことだ、スパナは俺が女だと知っているのか。
改めてということは今までにも俺にそう言ったことがあったのか。
はたしてどうなのだろう。
なんとなく既視感はあった。
いくらなんでも、本人戦闘力がほぼゼロのスパナが手錠もなしに俺を放置するのは可笑しいのではないか？
俺に着替えのつなぎを渡した後、無言で後ろを向いて作業を始めたスパナ。あの時していたのはなんだった？
ツナの服を脱がせた後、素早く手錠をかけ布団を被せたのは？俺を気遣ったのではないだろうか？
どくん。
血液が勢いよく流れ出す。
何故？
呼吸がリズムを刻んでいき、頭痛が始まる。
可笑しい。嫌だよ、そんなこと。
スパナが俺を女だと知っている。
連なって考えられる理由は極僅か。
１つ、白蘭との戦闘において性別に関する情報が公になった
２つ、未来の俺が性別に関する情報をバラした
３つ、俺とスパナに、何か親密な関係があった
２つ目はないだろう。
現に未来の雲雀さんのみが俺の性別を理解しているだけだったのだから。
残りは１と３。
それらは全て、ミルフィオーレと一言で済ませられない関わりがあったことが伺える。
本当に、本当に俺はボンゴレとして暮らしていたか？
ミルフィオーレに、他に心移りなどしていなかったか？
考えれば考えるだけ自分が信じられなくなっていく。
ああ、最近こういうことが多い。
反抗期で、思春期で片付けられるか。
深刻な問題だ。自分を疑う以外に他がない。
どうにかなってしまいそうだ。
「A……？」
ツナの、声が聞こえる。
直後────
激しい揺れが、部屋を襲った。
グラリ、と身体が傾く。
「危ないッ……！！！」
ふと誰かに抱き締められた感じがして、体制を崩すも痛みは無い。
この、この人の香りが、いつでも俺を強くした。
この人が、いつでも俺を信じて、愛してくれた。
存在を、この至らない俺のことを、我がボスは。
俺は自分のことは愛せないが、その自分の生き方を疑ったことはない。
今の自分は、《今》の自分だけは本物だから。信じれるから。
だから、俺は《今》に誓おう。
神でも過去でも未来でもなく、今この時に。
“俺の生命の全てを、ボンゴレへ。
俺の存在の意義は、ボスと共に”
続く (更新停止中)
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林 - 更新楽しみにしてます!頑張って下さい (2021年4月12日 23時) (
レス) id: d6efe66a53 (このIDを非表示/違反報告)
じゅりあん - 面白かったです！続き気になります。更新頑張ってください！！ (2016年3月30日 3時) (レス) id: 8d25e785b5 (このIDを非表示/違反報告)
星音 - はじめまして！とてもおもしろかったです！！更新がんばってください！ (2016年2月11日 13時) (レス) id: 68dbb7dc43 (このIDを非表示/違反報告)
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