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結局、私は五条さんのもとでお世話になることに決まった。
真希ちゃんは最後まで心配してくれていたけど、パンダ君に何か耳打ちをされたら仕方なくといった様子でそれ以上は何も言わなかった。
五条さんは私を抱きかかえたまま建物を出ると何処かへ向かう。
いつの間にか日が暮れてしまったようで外はすっかり暗くなっていた。
歴史を感じる石畳を歩く靴の音と時折吹く風に煽られる草木の音だけが聞こえて、外灯は一応あるけど、木々が生い茂っているせいでとても暗く感じる。

五条「ここはね、学校なんだ」

突然話し始めたことに小さくビクッと身体を跳ねらせてから「学校…?」と訊き返した。

五条「東京都立呪術高等専門学校。呪術師を目指す子たちが知識や力を身に着ける学校。表向きは宗教学校ってことになってるけど」

A「あの、じゅじゅつしって何ですか?」

五条「呪術師は呪いを祓う専門家さ。呪いは人の負の感情から生まれる。呪いは呪いでしか祓えない。呪いから生まれる化け物を呪霊って言うんだけど、人を襲うんだ。だから人を守るために僕たちみたいな存在がいる。常に死と隣り合わせの仕事だけど」

A「でもそれって世間一般には…」

五条「知られてないね。そもそも呪い自体視える人が少ない。あ、でも僕みたいに昔から呪術師をやっている家系もあるよ」

知らなかった。
自分の知らないところでそんなに危険が仕事をしている人たちがいたなんて…。
もしかしたら気付かないうちに命を救われていたかもしれない。
本当は警察とかよりも感謝するべき存在なのでは…?

五条「さて、今日はとりあえず僕の部屋に直行するね。本当は一度身体を診てもらった方が良いんだろうけど明日にしよう」

A「す、すいません。お世話になります」

五条「君みたいに可愛い子なら大歓迎だよ〜」

悪い人じゃないとは分かっているんだけど口元が笑っていても目が見えない分、本当に笑っているのか分からなくて不安を感じて少し怖い。
早く人に戻れたらいいな…。

玖→←漆



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Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 遅くなってごめんなさい!続き楽しみにしてます (2022年7月9日 9時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» わわっ!嬉しい!恐縮です。ありがとうございます! (2022年6月11日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 寧ろ文才分けてほしいくらいです! (2022年6月10日 23時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» 自分ではちゃんとエロい感じになっているのか首を傾げながら書いているので、そう言っていただけると幸いです。ありがとうございます! (2022年6月3日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 先生エロい感じが良い! (2022年6月2日 21時) (レス) @page31 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年5月20日 23時

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