弐拾漆 ページ30
【五条side】
出張から帰って来て、お土産を渡しながら預けた鍵を返してもらおうと硝子がいる医務室を訪ねた時だ。
家入「A、ちょっと熱っぽい感じだったから気にかけてあげて」
五条「え?熱?マジ?」
家入「嘘ついてどうするんだよ。朝見に行った時は気にならなかったけど、昼頃行ったらいつもより少し体温が高い感じがして。15時過ぎにも行ったけど本人は特に問題はないって」
僕としたことが…まさかAの体調に変化が起こっている時に離れているなんて…
家入「急患が入ってきたりしてそれ以降は行けてないから早く行ってあげて」
五条「ん。ありがと」
硝子から鍵を受け取って医務室を出た。
本来なら午前中に帰れるはずだったけどクソな上層部が任務を増やすから結局夕方になってしまった。
17時を過ぎた。
硝子が最後に様子を見に行ってから二時間くらい経っている。
悪化したりしてなきゃいいんだけど…
自然と歩く速度が上がる。
右手に持っている紙袋はAと一緒に食べようと思って買ったお土産のお菓子。
食べ物を必要としないだけで食べられないわけじゃないだろうと思って買った。
大変だろうけど一瞬人の姿になってもらって一緒に…
教員用の寮に着いてすぐ自分の部屋に行く。
鍵を開けて部屋に入った。
靴を脱いで、平静を装いながら声をかける。
五条「A〜ただいま〜」
返事がない。寝てるのか?
奥まで行くと目に入った光景に僕は冷静さを失う。
五条「A!」
人の姿になってはいるけど苦しそうに乱れた呼吸、上気してピンクに染まった頬、余程苦しかったのか解かれた帯…
僕はお土産のことなど気にも留めず、右手に持っていた紙袋を投げ捨てて彼女が横たわるベッドに駆け寄った。
五条「A、どうしたの?苦しい?今すぐ硝子のところに…」
A「ごじょ、さん…」
閉じていた目が開き、うるんだ瞳で僕を見上げる。
力なく伸ばされた手で僕の服を掴んだ彼女は涙を流す。
五条「A、辛いよね?」
A「ごめ…なさぃ…私…」
五条「謝らなくていいよ。すぐに連れて行ってあげるから」
A「…私…」
Aはふるふると首を横に振ると僕の服を掴んでいる手とは反対の手を自分の下腹部に当てた。
A「助けて…」
……え?
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Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 遅くなってごめんなさい!続き楽しみにしてます (2022年7月9日 9時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» わわっ!嬉しい!恐縮です。ありがとうございます! (2022年6月11日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 寧ろ文才分けてほしいくらいです! (2022年6月10日 23時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» 自分ではちゃんとエロい感じになっているのか首を傾げながら書いているので、そう言っていただけると幸いです。ありがとうございます! (2022年6月3日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 先生エロい感じが良い! (2022年6月2日 21時) (レス) @page31 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年5月20日 23時