弐拾 ページ22
【五条side】
大人しくしていたAが耳をピクリと動かして僕たちがこれから祓う予定の廃ビルを見上げた。
ただ気になって見ているというより、何かに驚いているように見える。
七海もそれが分かったようだ。
七海「檜野さん、何か感じましたか?」
A「…いえ。感じたというより変な声が聞こえて…」
呪霊の声が聞こえた…?
彼女は非術師だったはずだけど、呪いのせいで感知できるようになっているのか?
七海「なるほど。無理かもしれませんが今から我々が祓ってきますからあまりお気になさらずに」
A「はい…」
五条「この先は危ないから車に戻ろうか」
不安な表情を浮かべる彼女に声をかける。
Aはお礼を言って、七海も「どういたしまして」と返した。
車に戻り、シートにそっと彼女を座らせて少しでも安心させるように頭を撫でる。
A「五条さん…」
五条「だいじょーぶ。僕と七海がちゃんと祓ってくるから。絶対Aを危険な目に遭わせたりしないから安心して」
A「…はい。お気をつけて」
五条「伊地知。帳は僕が降ろすからAのことお願い」
伊地知「は、はい」
伊地知に彼女を任せて車のドアを閉める。
僕が戻ると七海は「感心しませんね」と眉を顰めた。
七海「いくら特殊なケースの呪いがかかっている方といえど連れ回すのは良くないかと」
五条「つまり?」
七海「恐怖を植え付けるような行動は控えた方がいいと言っているのです」
五条「僕もまさか感知できるなんて知らなかったんだよ。今まで呪いにかかわったことないって言ってたし」
僕は口の前で人差し指と中指を立てた。
五条「“闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え”」
黒い膜が廃ビル周辺を包み込む。
七海と並んで歩いてビルの中へ入った。
七海「彼女をこれ以上巻き込まないよう、くれぐれも気を付けて下さいよ」
五条「最強の僕がそんなヘマすると思ってんの?」
言われなくたってそうするさ。
Aは僕が守る。
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Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 遅くなってごめんなさい!続き楽しみにしてます (2022年7月9日 9時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» わわっ!嬉しい!恐縮です。ありがとうございます! (2022年6月11日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 寧ろ文才分けてほしいくらいです! (2022年6月10日 23時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» 自分ではちゃんとエロい感じになっているのか首を傾げながら書いているので、そう言っていただけると幸いです。ありがとうございます! (2022年6月3日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 先生エロい感じが良い! (2022年6月2日 21時) (レス) @page31 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年5月20日 23時