【ツイステ】UNTITLED Ⅳ (ページ14)

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160話ページ14

みんなの部活が終わり始める頃なので場所を移動し、現在営業準備の終わったモストロ・ラウンジ。
準備をしてくれていた寮生達に挨拶をして僕も準備に取り掛かる。

｢あ、A先輩！お疲れ様です！｣

｢お疲れ様です！｣

ニコニコと近寄ってきてくれたのは同じオクタヴィネル寮の1年生だ。
この子達は開店準備に入るのは初めてだったな。僕のところに来たのはミスがないかの確認と、褒めて欲しいって所だろう。

｢皆さんお疲れ様です。開店準備ちゃんと終わらせてくれたみたいですね。ありがとうございます。皆さんがいてくれて助かります。今からの営業も頑張りましょうね！｣

笑顔でお礼と励ましの言葉を掛ける。
そんな僕を少し遅れて入ってきたアズールがため息混じりに話しかけてきた。

｢士気向上は結構ですが、少々甘やかしすぎではありませんか？｣

｢1年生だからねぇ。あと、怖いのは支配人とその補佐官2人だけで結構ですー。
僕は甘やかし担当なので！｣

｢そんなこと言って、ミスをした従業員がAに泣き付くのは恒例になりつつありますよ。｣

アズールの言う通り、ミスをした従業員達が僕に泣き付くのはもはや恒例だ。
それが仕事の中だけならいいのだが、プライベートでの失敗も僕に頼ってくるものが居るのが困りものだな。

さて、そろそろお店を開けなければ。
従業員の配置を確認し、テーブルセットや仕込みなどの確認を終わらせる。

特に問題は無いな。今日はフロイドもちゃんと来ているし。

マジカメに店内の水槽の写真を載せ、開店を知らせる投稿をしたら仕事開始だ。

｢いらっしゃいませ。ようこそモストロ・ラウンジへ。｣

開店したばかりはまだ落ち着いているが、数時間で席は満席になる。
新人達に指示を飛ばし、僕自身もホール内を動き回る。

忙しい店内に慣れない新人たちはあわあわとしているが、まだ今日は全然捌ける繁盛具合。
これで音を上げていては一般開放の時にパンクしてしまう。

まぁ、忙しさは慣れるしかないのでたくさんシフトに入ってもらうしかないな。

店内も落ち着いて来た頃、僕はホールからキッチンへ移動する。

明日の手土産を作るためだ。

｢すみません。キッチンを少し借りますが、大丈夫そうですか？｣

｢っ！…はぁ、Aか。今は落ち着いてるし大丈夫だ。｣

今日のキッチン担当は同学年の生徒だった。
ビクリと肩を震わせた彼だったが、話しかけたのが僕だとわかると緊張が解れたような笑顔を見せた。