24話 ページ25
朝起きると左胸の呪いは紋章ではなく痣のようになっていた。
数日経てば消えるだろう。
消えると言っても、この魔法が解ける訳では無い。
徐々に体に馴染んで見えなくなるだけだ。
昨日は帰ってすぐに寝たため疲労感は無い。
そういえば、帰り際に見えた黒い封筒はアズールのものだろうか。
もしもNRCからの招待状なら、同じ学校に通える？
そうだったらいいなと思いながら僕は家を出て学校に向かった。
もうすぐ卒業だ。
忌々しい家族と、一時だが離れることが出来る。
ジェイドとフロイドにも、あの手紙が届いていたらいいな。
｢Aーー！！｣
背後から弾丸のような衝撃。
さすがによろけてしまうがなんとか耐える。
こんなに早く泳いで僕に激突してくる奴は一人しかいない。
｢ふ、フロイド……。おはよ。なに、何かあったの？ジェイドは？｣
どうやら彼一人のようだ。
僕の質問には答えず、僕の前に出てくる。
｢あー！ほんとにアズールと同じ痣がある！｣
どうやら今日は機嫌があり宜しくない。
話が通じない時は大体機嫌が良くない時だ。
｢ずるい！！アズールともジェイドともお揃いがあるのになんでオレにはないの！？｣
なるほど。フロイドの機嫌が悪い理由はそれか。
確かに、今の僕はアズールと同じ呪いを左胸に刻まれ、ジェイドと同じ髪型をしている。
2人とはお揃いがあるのにフロイドとのお揃いは何も無かった。
そのせいで彼は機嫌が悪いのだ。
｢うーん、確かにこれじゃ平等じゃないなぁ。｣
｢オレにもなんかちょーだい！｣
そんな簡単に言われても僕があげられるものなんて何も持っていない。
どうしようか。
｢フロイド、置いていくなんて酷いじゃないですか。
おはようございます、A。｣
いつの間にかジェイドが来ていた。
時間がかかった上に一切の焦りが見えないので別に急いできたわけてはなさそうだ。
酷いとは言っているが顔は笑ったままである。
｢おはよう、ジェイド。｣
｢は？無視すんの？｣
挨拶を返しただけなのにさらに不機嫌になるフロイド。
どうすればいいんだ。
｢無視してないよ。フロイドは何が欲しい？｣
｢Aとお揃いならなんでもいい。｣
｢なんでもいいが1番困るんだよ。知ってる？｣
｢あは、オレらの母さんみたいなこと言うね。｣
別にお母さんでなくても｢なんでもいい｣が1番難しいと思う。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
なんでもいいがいちばん困る。
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黒梦(プロフ) - 紅紐さん» 見に来てくれてありがとうー！！！！そう言って貰えてめっちゃ嬉しい！！頑張って続きも書く！！！！ (2020年12月6日 15時) (
レス) id: 56087ab723 (このIDを非表示/違反報告)
紅紐 - 紅紐だよ！！！！！好き！！！ねぇこれ好き！！！これから続編まで一気に見てくる！！！！！ (2020年11月29日 7時) (レス) id: ae3c69c326 (このIDを非表示/違反報告)
黒梦(プロフ) - ウツボだよ☆さん» あわわわ死なないで〜！ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！ (2020年10月18日 23時) (レス) id: 61a2d14e4f (このIDを非表示/違反報告)
ウツボだよ☆ - グハァｯｯｯこの作品僕好きデスゥッッッﾁｰｰｰｰﾝ(死亡) (2020年10月17日 19時) (レス) id: 5d8b13751b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒梦 | 作成日時：2020年10月4日 2時
