23話 ページ24
魔力不足でフラフラする。
すこし張り切りすぎたみたいだ。
｢A？大丈夫ですか？｣
少しふらついた僕に気づいて支えてくれる。
｢ごめん、ちょっと張り切りすぎちゃった。｣
｢すみません、僕がわがままを言ったばっかりに……。無理しないで下さいね。｣
｢大丈夫、少し休んだら平気だよ。
それより、久しぶりに本でも読もうか。｣
僕の提案に少し不満そうだが、近くのベッドに腰掛けさせてもらう。
少し待っててください、と沢山積まれた本を漁り出すアズール。
何を探しているのだろうかと考えていると
一冊の本を僕に手渡した。
見た事のある本だ。
家にある本。幼き自分が必死になって何度も読んだ本。
｢うげ、これ治癒魔法の本じゃん。｣
魔法不足でフラフラなのを知っていて嫌いなジャンルの本を持ってくるとはどういう事だ。
なんの嫌がらせだ。
｢せっかく良質な治癒魔法を手に入れたんです。昔できなかったことも、今ならできるかもしれませんよ。｣
アズールの言うことも一理ある。
昔は治癒魔法しか勉強せず、治癒のことしか学ばなかったし、なんなら魔力だって上手く使いこなせないまま使っていた。
今は自分の魔力がどのくらいあるのか
放出量を加減できるようになったが
それはミドルスクールに入ってからだ。
つまり、制御できるようになってからは治癒魔法を使うこともなければ学ぼうとも思わなかった。
｢わかったよ。誰かが怪我をしたら治せるようにと思って奪った魔法だしね。｣
渋々手渡された本を開く。
｢分からないところは僕が教えて差し上げますよ。
お代は、Aが完全に治癒魔法を使いこなせること、なんてどうですか？｣
｢いや、ハードル高いな！？｣
結果だけ言うと、僕はそれなりに治癒魔法を扱えるようになった。
昔は意味がわからなかったところも
ほかの魔法を使うようになって、それの応用だったためすぐに理解出来た。
それに、アズールの教え方がめちゃくちゃ上手かった。
｢昔はAが僕に勉強の仕方を教えてくれましたね｣
なんて笑顔で言ってくる。
ちょっと悔しいが、悪い気はしなかった。
一通り勉強して、遅くなるからとお開きになった。
｢また明日ね。｣
｢えぇ、また明日。｣
別れの挨拶をして蛸壺を出る。
机の上に黒い封筒が置いてあるのが見えたような気がした。
アズールにも来たのだろうか？
明日聞いてみることにしよう。
その日は何も言わず帰ることにした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
平和？
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黒梦(プロフ) - 紅紐さん» 見に来てくれてありがとうー！！！！そう言って貰えてめっちゃ嬉しい！！頑張って続きも書く！！！！ (2020年12月6日 15時) (
レス) id: 56087ab723 (このIDを非表示/違反報告)
紅紐 - 紅紐だよ！！！！！好き！！！ねぇこれ好き！！！これから続編まで一気に見てくる！！！！！ (2020年11月29日 7時) (レス) id: ae3c69c326 (このIDを非表示/違反報告)
黒梦(プロフ) - ウツボだよ☆さん» あわわわ死なないで〜！ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！ (2020年10月18日 23時) (レス) id: 61a2d14e4f (このIDを非表示/違反報告)
ウツボだよ☆ - グハァｯｯｯこの作品僕好きデスゥッッッﾁｰｰｰｰﾝ(死亡) (2020年10月17日 19時) (レス) id: 5d8b13751b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒梦 | 作成日時：2020年10月4日 2時
