雨の生き様 【煉獄杏寿郎】現代編

波乱な一日 ページ16

『もういい…俺は帰る』

「ま、まだ話は終わってねぇ！」

『触んな！！』


パチンッと手を弾くと伊之助は驚く




『関わんな』

「A…！」



ピシャリッと教室の扉を閉める

部活動や帰宅した人が多かった為今の一部始終を見られたのが数人で炭治郎は少しホッとした


「…俺、余計なこと言ってしまった」

「余計なんかじゃねぇよ…あの人の事を思ってだろ
落ち込むな」

「ごめん、善逸」

「お前も熱くなりすぎだつぅの！明日謝れよ」

「…なんで…覚えてねぇんだよ」

「…さぁな」

「なんで、アイツだけなんだよ」

「俺が聞きてぇよ…そんなの」



服から見えたのはあの時の傷だけじゃない


切り傷や火傷の怪我の跡




【俺と関わんじゃねぇ】







「Aさん…」


俺の声は…届かないのだろうか









「あ、雨だ…」

「あれだけ晴れてたのになぁ」

「俺傘忘れたぁ…」

「えー、私も」







そんなクラスの人の声がした



「雨が降ってきた…」









___________


________


___








「A！」





バシャッと水を弾きながら走ってきたのは狛治だった
傘を持ちながら焦った顔をこちらに向ける



『おぉ…』

「そんなに濡れて…こんなところで何してんだよ」






公園のブランコで座りながら水たまりに移る自分を見つめる



『朝の事、あいつ謝ってた』

「…そうか」

『俺、人と関わんの苦手なんだ』

「昔からそうだよな」

『誰かを信じても…結局人は一人だ』

「…」

『俺は、クソな存在だ』

「そんな事ねぇよ」




傘が雨を遮る




「俺は、お前の傍にいる」

『狛治…』




「もう痛い想いも、寂しい想いも。お前にさせたくないんだ


泣くな」






『っ…ごめん、ごめんなさい』




「(俺が…お前を守る

今度はお前を救う


命を奪うのではなく


生きて欲しいんだ)」

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