雨の生き様 【煉獄杏寿郎】

元兄弟 ページ13

「さぁ、腕をお出しになってください」

『結構』

「お出しになってください」

『遠慮します』

「お出しに…」

『お構いなく』

「出しなさい」

『…』



自傷行為をした腕を嫌々ながらもしのぶに手当されやっと解放されたのは30分後の事


何故こいつがいるんだ




「久しいな」

『…』

「挨拶もまともに出来なくなったか！」

『挨拶とは” 相手の心に近づくという意味”
自分の心を 開くことで相手の心を開かせ、相手の心に近づいていく積極的な行為だ。お前と仲良しこよしするつもりは無い』

「…やはり好かんな」

『気が合うな』


「そこら辺にしませんか？」


さすがにしのぶが止めに入りAは背を向けた


「無駄に血を流し鬼を挑発するなど何を考えている
感情的になり我を見失うか、恥をしれ」

『お前こそ、その張り付いた笑顔をどうにかしたらどうだ？』


その場を去ろうと足を動かそうとした




「一つ問いたい」

『…なんだ』

「いつも冷淡無常で何にも興味を示さないお前が何故あそこまで熱くなることがある！」


彼が口を止めることは無い
俺とは真反対の橙色と赤がまじる瞳がこちらを睨む



『お前に関係ない』

「いつも隠し事ばかりだな」

『お前に話すことは無いという意味だ』

「特に知りたいとは思わんが迷惑をかけるな。お館様のお考えであろう」

『…鬼は殺す。ただそれだけの事だ』


それだけを言い残しAは屋敷を後にした






「…面倒事に巻き込むところだったすまんな」

「お構いなく…。ご兄弟なのでしょう？双子なんて今のご時世そうそうありませんよ」

「彼とは家族でもなんでもない。ただの同僚だ！」

「…そうですか」


「ではな、胡蝶！」

「はい、おやすみなさい」

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