163。化粧禁止令 ページ14
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今日は久々の一日オフ。
本当は家で牛の如く寝ていたいんだけれど、やる事行くとこ溜まりに溜まってしまった為、渋々外出中である。
そして、只今、都内のクリニックの待合室で名前が呼ばれるのを待っている。
「月島さん、月島Aさん。中へお入りください。」
名前が呼ばれ、スマホをしまって中に入る。
扉を開けて1番初めに目に飛び込んで来たのは、椅子にドカッと座り、足を組んでこちらを睨みつける女医さん。
放送の優しい声など1ミリも感じさせない威厳のある態度である。
私は知っている、彼女が何を言いたいのか。だから私から話します。
A「忙しかったんです。」
先生「言い訳はそれだけ?」
A「ごめんなさい。」
私が出会った医者の中で一番医者になっちゃいけない人だと思う。
助けるどころか殺めそうな目付き……。
先生「あーもう、悪化してるじゃない!きちんとケアしてる?!」
A「頑張ってます。」
先生「毎日?」
A「……たまに忘れます。」
先生「それを頑張らないと言うのよ?」
A「ひっ…。」
私が訪れたクリニックは皮膚科、美容整形外科専門。以前とある手術をここでおこなってから今までずっとお世話になっている。
先生「どーせ疲れてそのまま寝ちゃうなんて愚行してるんでしょ?本当に治す気ある?」
A「気は…はい。」
先生「丁寧に洗ってないでしょ?美容液付けてないでしょ?頬杖もついてるでしょ?肌に負担かけないようにしてないでしょ?」
A「ぐうの音も出ないとはこのことですね。」
先生「は?」
A「ごめんなさい。」
先生「……はぁ。」
ため息を吐きながらクルクル椅子を回転させている先生。こういう時は何か考え事をしているんだよね、どんな解決策を生み出してくれるのやら。
先生「……もうさ、化粧禁止ね。月島さん。」
A「えぇー!!?」
先生「何よ。当たり前でしょ。妥当案。」
A「先生!!諦めないで!頑張って!」
先生「私が頑張る前に月島さんが頑張るんだよ!といっても、もう施行令出したから、これ決まり。」
A「……化粧が無いと生きられません。」
先生「そんな人間いるなら会ってみたいわ。」
A「……。」
先生「あなたのマネージャーにもきちんと説明して予定調節してもらいなさいね。」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2021年4月2日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 一気読みしてしまいました…更新が約2年前で止まってる…とても面白くて大好きです。更新を楽しみにお待ちしています (2021年2月27日 0時) (レス) id: 07bc04b22c (このIDを非表示/違反報告)
武田(プロフ) - 凄く良くて一気読みしたのにい、1年前........更新待っております(;A;) (2020年3月17日 21時) (レス) id: 784988d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
Mさん(プロフ) - とっても大好きな作品です!更新楽しみに待ってます (2020年2月1日 14時) (レス) id: cb08f97b02 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - とても面白くて一気に読んじゃいました!更新待ってます、! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e268673743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きう | 作成日時:2018年10月30日 0時