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『ライ…お話があります。』
俺にそう言ったギムレットは酷く緊張した顔をしていた。
「…俺も、お前に話がある。」
そう言ってギムレットをソファーに座らせた。
2人分のコーヒーを持って座る。
しばらくどちらも話さなかった。
重たい空気の中先に口を開いたのはギムレットだった。
『…FBI捜査官…赤井、秀一。』
ラ「!?」
『…組織には話してない。』
驚いた。まさか、俺の正体を知っているとは…
しかもそれを誰にも話してないとは…たが…
ラ「…もし、俺がそのFBIだとして。お前の話しが本当だと言う証拠は?」
ギムレットを鋭く睨む。
『…証拠はない。ただ、信じて欲しいとしか。』
そう言ったギムレットは真っ直ぐ俺の目を見つめて来る。強い意志のこもった目だ。
ラ「目的はなんだ。何を企んでいる?」
『…これから私が、組織の情報をあなたに流す。だから、組織を壊滅させて欲しい。』
ラ「!?お前、自分が何を言っているのか分かっているのか?もし、組織にバレたら殺されるぞ!!」
『分かってる。それでもいいの。スコッチの願いでもあるから…』
ラ「スコッチ…だと?お前、スコッチがNOCだって事も知っていたのか?」
ギムレットは頷く。
ラ「そうか…一応聞くが、ギムレットから組織にNOCだと言うことがバレたんじゃないのか?」
『私は、報告してない。』
嘘は付いていない。そう感じた。
信じてみても良いのかもしれない。
実際、ギムレットからの情報があれば組織を壊滅させるのは今より簡単になるだろう…。
こちらとしては拒否する理由はない。
ラ「分かった。ギムレットのことを信じよう。だが、こちらとしても仲間を巻き込みたくないし変に騒ぎになるのも避けた方が良いだろう。だからこの話しは2人だけと秘密にするということでどうだ?」
どこから情報が漏れるか分からない為これくらいはしておいた方が良いだろう…。
『信じてくれるの?ありがとう。これからよろしく、ライ』
そう言ってギムレットは少し微笑んだ。
ーーーお前は、笑っている方が似合う。
ラ「では、雨宮神無とAAに関する情報を教えてもらおうか?」
『っっ!?』
ギムレットの様子が変わった、さっきまで和やかだった雰囲気が緊張したものに変わる。…少し震えているようだ。
参ったな…やはり何かあるのだろうが、あまり良くないんだろう。
ラ「すまない。やはり、他の質問にしよう。」
『大丈夫です!』
そう言った声は震えていた…
『あなたには、知っていて欲しいから…』
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作者名:クロム | 作成日時:2020年9月8日 23時