【第五十五話】匂いと…?【桜川 雅】 ページ10
神輿に手紙をとどけて、帰りに一軒寄って服をもらった
あたりはすっかり夜だ
早く帰らないと、紅緋にぃに心配をかけてしまう
甘味処が見えて、ぼくは早足にかけだし
「タダィマ☆(*>ω<*)ゞ」と言ってみたが、いつもの紅緋にぃの返事はない
不思議に思ってにもつを下ろした瞬間__
微かに残っていた人の『匂い』
この匂いは___
(黒紫様だ)
なぜ?この甘味処に黒紫様の匂いが……?
そして次に鼻腔をくすぐったのは__
『血の匂い』____?
まさか………!!!!
「紅緋にぃ!?」
いそいで店の中を探す
希望はぼくがでかける前にふらっとどこかに行ったから
いつ戻ってくるのかわからない
だとしたら、可能性は一つ
紅緋にぃだ
店の中をさんざん探し回って、最後に厨房を確認する
やはりいない
もっと奥を見てみようとした、その時________
ベチャ
……………………………ベチャ?
変な音にぎもんを感じ、足下を確認する
ぼくの足下は真っ赤な液体に染まっていた
(これは、紅緋にぃの血の匂い……)
いったい、どういうことぉ?
黒紫様はどうして甘味処にいらしゃった?
紅緋にぃの血の意味はなに?
紅緋にぃがどこにいるのかは、町の人達に聞けばすぐにわかるだろう
すでに医者のところにいるに違いない
ぼくは似たような光景をしっている
血と血の匂いが残り、その場にはぼくしかいなかった光景__
「うあ、あああ、ああぁあぁぁ!!!」
ぼくの叫び声だけが、甘味処に響いた
(いたい……いたいいたいいたいいたいいたい!頭がいたい!助けて!!黒紫様!!!)
「あああああぁぁぁぁあぁぁぁ!!」
トン
ぼくの叫び声の中に響いた、静かな音
ぼくのうなじ辺りを誰かが刺激したのだ
「あ……黒………紫……………様……(フッ」
「それ以上は思い出すんじゃねーよ」
突然現れ、雅を気絶させた黒紫は独り言の様に呟いた
「やれやれ、お前は本当に読めない奴だな。雅」
「紅緋よ、雅は少し借りてくぜ」
気絶した雅を抱き上げ、黒紫は怪しげに笑った
黒紫はそのまま、闇に紛れてどこかに消えた
甘味処の店主、希望や傷の癒えた紅緋が戻って来た時
桜川 雅は行方不明になっていた__
【第五十六話】覚醒の予兆【相樂 千代】→←【第五十四話】黒揚羽と韓紅【赤水 蓮】
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛇庵(りあん)(プロフ) - 続編いきました! (2016年5月3日 20時) (レス) id: 09ec081b29 (このIDを非表示/違反報告)
蛇庵(りあん)(プロフ) - しのっちさん» わかった!続編いくね。 (2016年5月3日 20時) (レス) id: 09ec081b29 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - 蛇庵(りあん)さん» ……りあん、そろそろ続編にいった方が良いかもぉ…… (2016年5月3日 20時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ……手直しする…… (2016年5月3日 20時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ……終わった…… (2016年5月3日 20時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ