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【第六十二話】今昔の交える暗殺者【相樂 千代】 ページ16

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「何故…あなた達は刀を手にしたの…?」






蓮さん達を見据え、私は問う。






「もう、解ってるはず。この時代の行く末が……、武士(わたしたち)終焉()が………」






すると、








「訳分からないことを言うなよ…」





彼らは口々にそう言った





訳分からない…?








「そんなとぼけたこと、言わない方が良い…。終わりが見えてるのに、あなた達は武士になった……。何故…?」








刀を抜く初動にしか見せないように、間合いを殺し…慧さんの胸を、刀の柄で突く








「武士になったのは良いけれど……その先に在るものは……?」









再度、私は問う。









沈黙が続く中、私は言った。








「¨死¨に決まってるでしょ…。分からないの?」









そう、だから私は…………









「だから私は、幼い頃から…その事を求めてるの……」









胸の奥から、黒い何かが込み上げてきた。









「いつ、どこで、どうやって……散るのかを……」







気持ち悪い。





けど懐かしい、黒い何か。









「天は、勝手に生まれを決める。


つまり、自分では選べない。







だけど……


散り方は己自信で決められる」









私は嘆息をして続けた。









「……とっても暇な人生しか歩ませてくれないなんて。……御天道様も意地悪ね…。








でもね、感謝してることは一つあるの。








新撰組(あなたたち)と、出会えたこと。









それだけは、本当に嬉しかった……」









空を見上げると、月が沈みかけていた。




もう日が昇る時刻に近い…







羽織を翻し、屯所へ戻ろうと歩みを進める。









紅緋さんのことが心残りだけど。









その時の私は気がついていなかった。






後で当面の間、昔の自分と、今の自分とで苦悩するとは。

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【第六十三話】瞳ヲ造る者【宵月囃】→←【第六十一話】殺戮の黒揚羽【花蝶 黒紫】



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蛇庵(りあん)(プロフ) - 続編いきました! (2016年5月3日 20時) (レス) id: 09ec081b29 (このIDを非表示/違反報告)
蛇庵(りあん)(プロフ) - しのっちさん» わかった!続編いくね。 (2016年5月3日 20時) (レス) id: 09ec081b29 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - 蛇庵(りあん)さん» ……りあん、そろそろ続編にいった方が良いかもぉ…… (2016年5月3日 20時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ……手直しする…… (2016年5月3日 20時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ……終わった…… (2016年5月3日 20時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蛇庵(りあん) x他4人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年4月24日 16時

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