【ジョジョ】時は、【男主&東方仗助】 (ページ17)

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説得と変化ページ17

「もしもし、すいませんお電話変わりました。碧伊原というものです。仗助君のお母様でいらっしゃいますか。」

仗助はアオの声を聞いて跳ね上がりそうになるほどに驚いた。いつもの声と僅かに違う、そして初めて聞く名前だったからだ。仗助はアオの顔から視線を離せなかった。
それをアオは何を勘違いしたのか、ふっと笑んで仗助の頭を撫でくりまわした。

「すいません、僕が仗助君に頼みたいことがあって呼び出してしまったら雨に降られてしまったらしくて。一応制服を乾かして入浴してもらったんですけど…」

チラリ、アオが窓を見ると雨は未だに猛威を奮っていた。台風のように激しく、天気予報士が晴れだと言っていたのを思い切り笑い飛ばした後に飛び蹴りを食らわしたいくらいには予報を裏切る天気である。

「まだ雨が止まないようで。仗助君がまた雨に濡れて風邪を引いてしまったら申し訳ないので、今晩僕の家に泊まらせても大丈夫ですか？」

受話器の向こう側の朋子は戸惑っている。でも、そんなご迷惑じゃ、などと言っているのが僅かに聞こえてくる。

「平気です。仗助君、いい子ですから。」

そう言ったアオの顔はニンマリと笑っていた。仗助は何だか自分が子供扱いされているような気がしてしまった。そしてまだ不安感を拭えない朋子はなんの仕事をしているのか、そう尋ねてきた。アオは1度強ばり、それを隠すように目を伏せて

「僕は元スピードワゴン財団情報班の班長でした。今はしがないテイラーをやってます。」

ははっ。と誤魔化すように笑ってみせたその声はカラカラに乾いていた。
その役職…元ではあると言ったが、スピードワゴン財団の班長だったという事を聞いて朋子は安心したようだった。スピードワゴン財団はジョースター家をこれまでに至るまで支えてきた財団である。