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フウセンカズラ #16 ページ17

フラフラと覚束ない足取りで歩くと、トンッ、トンッと龍の腕に体が何度か当たってしまう。
その度に龍の匂いが鼻奥を擽る。好きな相手だからなのかもしれないけれど、龍の匂いはどの花にも負けない位に甘い匂いがする。多分これは、僕にしかわからない。…そう思いたい。
髪の毛を結ぶその一瞬の間だけの幸せ。その間だけは、僕は女の子になれる。なにも知らない、純情な振りして想いを寄せる女の子。…そんな風になれたらとどんなに願ったって僕の性別は中々変わるわけがない。
そんなことは知っているけれど、願わずには居られない。だって僕は男の子だからずっといつ迄も一緒にいられるわけじゃない。龍のことが好きな女の子が現れてその女の子を龍も好きになっちゃえば、僕には勝ち目なんかありっこない。結ばれた二人を祝福する友人の一人にならなければならない。
皮肉なものだ。この世界は、男女の関係には甘く優しいくせして同性には厳しい。だって何よりも愛している人の子供を、その身に宿すことなんて出来やしないんだから。それがどれだけ悲しいことなのかを知らない男女は同性愛者を受け入れる人もいるが、酷いバッシングを浴びせる人もいるんだ。「気持ちが悪い。」…僕もかつて言われた言葉だ。その言葉の意味を誰よりも理解しているからこそ、言葉は鋭いナイフとなって心を傷つけていき、消えたくなってしまう。
「…ありがとう、龍。もういいよ。」

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まひまひ=イヴ - 号泣です!すっごくすっごく泣ける小説ですね!しかも田中先輩の!BLですし!私の好みドストライクです!更新応援してます! (2018年3月5日 1時) (レス) id: 3dd76b4fff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊達狐 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月16日 10時

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