31.これはチャンスだ ページ32
キーーンコーーンカーーンコーーン……
そして5限目の終わりのチャイムが鳴った。
ドラケン君はオレの肩を組み、「元気してた?」と聞いてきた。
「昨日の今日っすよ」
「今日ヒマだろ?」
「いやっ……そうでもないっす」
今日は学校終わったらヒナとデートがあるのに……!!
「ちょっと付き合えよ」
「え……?ボクの話聞いてます?」
「そうだ、ミコトも同じ中学だよな?タケミっち」
「まぁ……キョーダイなんで……」
「ミコトの教室どこ?せっかく来たんだし、ミコトも誘おうよケンチン」
「アイツもか?なぁタケミっち、3年の教室って別校舎?」
「3年なら上の階がそうっすよ」
「なら迎えに行ってこようよ、タケミっち」
「え、オレも!?」
「だってミコトのクラスわかってるタケミっちについてもらった方が手っ取り早いし」
「は、はぁ……」
というか多分、この騒ぎで姉ちゃん来るんじゃないのかな……
一応生徒会長なんだし。
後ろの方でヒソヒソと声が聞こえてきた。
「え?花垣ってあのマイキーと仲がいいの?」
「バカ!声デケェって!!」
「ウチにそんなすげぇ奴いたの!?」
「てか、あのマイキー生徒会長とも知り合いなのか!?」
「さっき“ミコト”って言ってたもんな!」
「さすが生徒会長だわ……」
そっか……これはチャンスだ。
マイキーに近づいて、“稀咲鉄太”との出会いを止めるチャンスだ。
「ちょっと待って!!!!」
声がするほうを振り向くとそこにはヒナがいた。
なんで!?ヒナが!??
「あン?誰だオマエ?」
ヒナはドラケン君の言葉を無視して、こっちの方までやってきた。
「あ、ごめんヒナ……今日立て込んでてさ……」
バチン!!
そんなこと言っていたら、ヒナはマイキー君に
ヒナさぁん!!?
何やっちゃってくれてんの!!?
あ、ドラケン君の顔に青筋が立った。
ヤベェ。
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作者名:くろっきー | 作成日時:2021年10月16日 13時