鎖【月永レオ】【天祥院英智】 (ページ44)

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「……あ…！」

月永さんと、夢中になって話したり…Knightsのレッスンを、見学したりしていたら、もう下校時刻間際だった。

大変だ。…こんなに遅くまで残ったことないし、何より英智さんに連絡を入れるのを忘れていた。

「えっと…Aだっけ。どうしたの？」

慌てている私を不思議に思ったのか、瀬名先輩…(だよね)は、そう聞いてきた。

「え、英智さんに連絡入れ忘れてて…！ちょっと、電話してきます。」

確か、彼は今日生徒会も部活動もないはずだ。
携帯を、耳に当てる。コール音が三回なったあとに、それは繋がった。

「もしもし…！」

『もしもし。連絡が遅かったから心配したよ。居残りかい？』

…英智さんは優しい声で、そう言ってきた。
よかった、怒ってはいないみたいだ。

「居残りというか…ええと、月永さんと話してて…すみません。今から帰ります。」

『…そう。気をつけて帰るんだよ。』

………なんだろう、この感じ。
英智さんの元気が、ない気がする。…気のせい、だよね。

「はい。では…」

少しひっかかりを感じながらも、私は電話を切った。