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私たちはそれから、顔を合わせてないぶん手紙のやり取りを繰り返した。


彼の妹経由だから本当に申し訳ないが。
けれど、そんなやり取りも長くは続かなかった。


『しばらく、放っておいて。』


たった12文字のその文章は、ひどく心に突き刺さった。
私はその手紙を受け取った瞬間に、月永家に乗り込んだ。


「お邪魔しますっ!!」


「あら、Aちゃ………………どうしたのかしら。」


勢いよく乗り込んだ私に驚いたのか、レオくんのお母さんは目を丸くさせていた。るかちゃんが今説明してくれているだろう、本当に申し訳ない。本当に。


「…どこ…っ…」


『LEO』と書かれた小さい板がかかっている部屋を私は見つけ、すぐにそこの部屋を開けた。


「………レオ、くん…」


「…っ、なんで、来たんだよ…っ!!放っておけって言っただろ…!?」


私はそのときの彼を見て、絶句した。


痩せて顔色が悪くなっている。…それに、紙切れが床中に散らばっており、とても見るに耐えなかった。


「……なんで、こんな…」


「…うるさい、近づくなっ!!」


そんなことを言われても、足が勝手に動いてしまうからしょうがない。




私は彼にゆっくりと近づいて、そのまま、彼の頬に両手を添えた。


「…どうして、言わなかったの………?」


私は自分でも驚くくらい、とてもショックを受けていたらしい。涙も、出なかった。



「…っ、触んな!!」


だから、周りが見えていなかったんだ。
こちらへ勢いよく来る、彼の手にも気がつかなかったんだ。




パン、と大きな音が鳴る。
その瞬間、私は大きく体が飛ばされた。


「……った…!」


「…あ…」


レオくんの手が、私の頬に思いきり当たったのだ。

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無気力兎 - ヤバイ!レオ様めちゃくちゃイケメン!愛の力ってヤベェな…← (2016年11月10日 16時) (レス) id: eaf91ea410 (このIDを非表示/違反報告)
アンナ*°(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした...!最後のレオ本当にカッコよくて素敵でした……!! (2016年7月23日 0時) (レス) id: af51f44b92 (このIDを非表示/違反報告)
影光&三日月 - 頑張ってくーださい!! (2016年7月13日 7時) (レス) id: 8ce4c48243 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - これからの展開が、とても楽しみです!頑張ってください! (2016年7月11日 18時) (レス) id: a3f7406683 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2016年7月9日 2時

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