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47. ページ47

湊さんは私がいないことを知ると、すぐさまうちに来て。


『Aちゃんが、来たがってたんです。』


こう言えば、両親はあっさりと信じる。

だけど、泉だけは信じなかった。


いつもみたいに、強い瞳で私を引き戻してくる。


『泉、Aが行きたいって言ってるのよ。』


『そうだ泉。行かせてやりなさい。』


両親が、私と泉の手を離し、私は湊さんのところへまた、戻らされた。


『おかえり。』


その一言で、私ははじめて、恐ろしい、と、感じた。


そのときはただ、恐怖しかなかったんだと思う。湊さんのところから逃げて、泉のところに行った。


そうして、私は泉に”助けられた”のだ。


両親は、私が戻ってきた、と勘違いしていただけで、湊さんのことは気にしてもいなかった。


後から聞くと、湊さんはどうやら、私に依存していたらしい。


私だけが、褒めてくれるから、という理由で。執着していたんだって。


けど今ではもうすっかり会っていなくて、記憶も薄れて、私の日常から湊さんのことは消えていってたのに。


「……っああああ!?」


…今、記憶も、湊さんにされたことも、すべて、すべてが私の中を駆け巡った。


思い出したくない、記憶。


両親も、少しは疑ってほしかった。


そうしたら、今ここで、私が思い出すこともなかったのに。


私はその場に崩れ落ち、ただひたすらに悔しくて、ぐっ、と強く、手を握った。

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あづにゃん(プロフ) - とても面白かったです!!これからも頑張って下さい♪ (2016年2月20日 17時) (レス) id: 77a53820e2 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃(プロフ) - 続き楽しみにしてますー! (2016年2月18日 22時) (レス) id: 4d959f0cfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2016年2月16日 14時

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