【鬼灯の冷徹】輪廻転生〜矛盾〜

伍拾陸 ページ10

鬼灯side





鬼灯「それより、お料理が冷めないうちに…」


サタン「あぁうん。そうだね」



本来ならば、このガチムチにAさんの手料理は食べさせたくはないですが、仕方ありません



ｷﾞｷﾞｨｯ



サタン「……(絶句)」


鬼灯「今年の優勝モノです」



扉を開け放つと、素晴らしいできの金魚草の生け作りが目に飛び込んでくる





…が、





それと同等、もしくはそれ以上の(良い)輝きを放っているものがあった



サタン「……美しい…」


A「気に入っていただけましたか？」


サタン「！白雪姫どの！」


A「白雪姫……？」



Aさんの料理だ



天ぷら、刺身、煮物、揚げ物…




全てのジャンルの和食が並べられていた





どれも宝石のように美しい





……ん？





A「鬼灯さま、お寿司は、解体ショーをするとのことだったので作っていませんｺｿｯ」



なるほど、どうりで和食の真骨頂、寿司が見当たらないわけです



鬼灯「流石Aさんですね。素晴らしい」


A「いえ、私などの料理で満足いただけるかどうか…」


サタン「いやはや、素晴らしい！まるで宝石箱のようだ！」


A「…そう言っていただけて、有難い限りです。なるべくサタン様がビジュアル的に食べやすいものを増やそうと思いまして…」



…ビジュアル的に…？



サタン「それに関しては本っ当にありがとう！一瞬「あ、終わった」って思ったから！」


A「料理で精神を抉られるなんてそうそうありませんけどね」



距離が近いです、離れろください



AさんもAさんです




何故そんなガチムチと……



A「鬼灯さま、そろそろ生け作りの準備を…」


鬼灯「…そうですね。Aさんも作るのを手伝ってもらえますか」


A「はい」




ｻｻｻｻｯ、しゅぱっしゅぱっ、ﾄﾝｯ




鬼灯・A「「どうぞ」」




サタン「え、何？何がおきたの？」


閻魔『Aちゃんとの共同作業だったからかな、鬼灯くんの動きがいつもにましてキレキレだった…あと、お客様に向かってどや顔するのやめよう？』

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