｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿参. (ページ29)

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発つ者、痕を遺して＿＿弐ページ29

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｢にしても…マダラの奴どうして見送りに来ないんぞ…？｣

｢家から出る時に充分見送って貰ったから大丈夫
きっとあたしについて色々一族内で色々あるんだよ｣

｢ほら自分で言うのもあれだけどあたし人気者だったから｣とAはノースリーブで隠れている首元(・・)を撫でる。"その仕草の意味"に柱間が気付く訳が無く、｢残念だの〜…｣とそのまま納得してしまった

・・・此奴本当に既婚者か？？？？

(知られても困るから良いけど…)

絶対暫くネタにされてマダラが被害に遭うので黙っておこう

何だったら一生知らずにいれば良いのだ
もしくはミトと愛し合って気付けリアル天然自然記念物

｢そうぞ！Aに渡したいものがあったんぞ！オレとマダラで考えた世界で一つの額当てだ！｣

｢……！｣

懐から出したその額当ては木の葉のマークが彫られたプレートは同じだが、布地が普通のとは全く違う

通常の布よりも固く丈夫に作られており何より布地に柄が施されていたのだ。黒地なのは同じなものの……片方には赤と白の扇子柄、また片方には木の葉に巨木の枝に桜の花の柄の装飾が施されて、うちはと千手を象徴しているのだとすぐに解った

｢でも私…忍じゃ…｣

｢何言っておるんぞ？Aはオレ達の仲間、共に夢を叶えた大事な友人。額当てのマークを考案したのに本人が付けられないのはおかしいんだ。……最後に"オレ達から"受け取ってくれ、A｣

｢ｯ！……有難う柱間、マダラ(二人共)！どの贈り物よりとっても嬉しい…大事にする…！｣

あたしだけの額当て

マダラと柱間の思い出と想いが詰まった何物にも代え難い宝物だ

(あたし…本当に幸せ者なんだな……
この世界に来た時からずっと一人じゃなかった…皆から…マダラが愛されてたんだ……)

だからこそ命に代えても彼等の得たものを守りたい

愛して貰ったら、慕ってくれたから
強くなって恩返ししてどうかその思いに応えられる様に

｢…皆今まで有難う。ほんの少しだけ暫くのお別れ
でもまた会えるよちゃんと戻って来るからそれまで＿＿＿＿じゃあね！｣

感謝と謝罪を心の中で呟いてAはいよいよ強くなる為にその場を発った

＿＿＿＿立つ鳥は跡を残さず、痕を遺して誓いを立てる

これは｢終わり｣ではなく｢始まり｣

ここからだ

ここから反撃の始まりなんだ

見ていろ原作、そして｢烙曜｣

敷かれた運命も世界二つを脅かす危機もあたしが救ってみせる！

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