｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿参. (ページ27)

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不死者の宣告＿＿陸ページ27

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いくらか重い目蓋を開けば真っ先に視界に入ったのは自室の天井と＿＿＿＿Aの右手を握り締め、ずっと寝ずにいたであろうマダラだった

陽はまだ昇って無いからあれからそんな時間は経っていないらしい。胸貫かれたらもっと寝ているだろうに…つくづく人間の体じゃないなと思う

｢マダラ…｣

｢A…！｣

自分が目を覚ましたのを気付いた彼は
今にも泣きそうなそれでいて安堵を覚えた様な顔で
寝たままの状態のAを大事そうに抱き締める

震えた声で｢お前まで失ったらオレは…｣と言う彼の言葉に、撫でようとした手を止めた

止めて、鉛の様に重い喉を無理矢理こじ開ける様にAはマダラに対しこう告げる

｢……マダラ落ち着いて聞いて欲しいんだ…あたし＿＿＿＿＿＿＿＿"木の葉の里から暫く離れようと思う"｣

｢は…？おい…冗談だろ…？｣

バッ！と言う効果音が付きそうな勢いでマダラは離れ緋色の瞳で凝視する

嗚呼…そんな悲しい顔をさせる為にこの世界に来たんじゃないのに。そんな為に会った訳じゃ無かった筈なのに

｢真面目だよ滝の抜け認が言ってたでしょう？正確には｢烙曜｣の教祖がだけど…あの意味はあたしがここに居たら木の葉に危害を加えるって事。皆で創った里なのにあたしのせいで壊れるのは嫌だよ｣

｢だから離れんのかよ…その前に｢烙曜｣をぶっ潰しゃあいい！そしたらお前が里を離れる必要何て無くなるだろ…？里にはオレや柱間や扉間、うちは一族も居る。お前一人が背負う問題じゃねェ！お願いだからオレから離れてくれるな……オレは…オレは…｣

俯いて震える姿はまるで子供を見ている様だ
駄々を捏ねるのと同じ…放っておけば泣き出すだろう
無言のまま上半身だけを起き上がらせたAはそのまま両手で彼の頬に添えて＿＿＿＿"唇を重ねた"

｢ｯｯ⁉︎お、お前…ｯ！｣

｢あのねマダラ…あたしマダラの事が好きだよ、ずっと前から大好きだったよ。順番逆だよね…凄い狡いのは解ってる…でもね、｣

それでも＿＿＿＿

｢例え離れていたって心が繋がってるなら大丈夫だよ…マダラがあたしを思ってくれればあたしは側に居るから。いつか絶対この里に帰って来る、それだけは約束する。だからこんな狡いあたしを待ってて？｣

(嫌いになって良いよ、許さなくて良いから…)

恋情を持った自分(この愛しい想い)を殺す為に、三栖Aは許されざる嘘を吐く。この報いは必ず受けよう…貴方に殺されるのなら本望だから
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