｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿参. (ページ25)

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不死者の宣告＿＿肆ページ25

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気が付けばAは上下左右真っ白な果てがあるかも解らない空間に居た。ただの白い空間かと思いきや宙を見上げれば星屑の様な極彩色の煌めいたものが散りばめられ、地には蛍に似た黄色い光が飛び交っている

｢っ｣

全く身に覚えのない空間に静かに狼狽える
この感覚はエンリルとエンキと初めて会った場所と同じものを感じた

此処に至る迄の記憶を必死に糸を手繰り寄せる
確か自分は何故か既に里抜けしていた角都の禁術によって胸を貫かれ、飛雷神の術で助けに来たマダラ、柱間、扉間の内マダラに抱えられて…

＿＿＿｢どう言う意味か知らんが｢ソドムとゴモラが訪れたくなければそこを去れ｣と教祖と言う奴が言っていた｣＿＿＿

｢‼︎……なんで…旧約聖書に出て来るソドムとゴモラを｢烙曜｣の教祖が知って…｣

去り際に血を吐くのを堪えながら問い掛けた答え
角都は悪魔で冷静に冷淡に、言われたままの通りAの耳を疑う事……否、正確には"Aにしか知らない言葉を使って来た"のだ

｢ソドムとゴモラ｣

それは旧約聖書において神の怒りを買い…天から硫黄と火を以って滅ぼされた｢都市｣の名だ。滅びの象徴にして悪徳や頽廃の代名詞としても知られる

内容は簡潔に言うとこうである
アダムとイヴの子孫であるアブラハムと言う男には甥のロトが居た。ロトは｢ゴモラにあるソドム｣と言う都市に住んでいたが…その地に住む人々は皆だらし無く旅人から金品を奪い日々性別関係なく交わり快楽に溺れる堕落した場所であった。そこに神により天使二人が送られて人間達の惨状を神に報告してロトの身内以外、その全てを硫黄と火で滅ぼした

｢烙曜｣の教祖の言葉を要訳すれば…

｢｢これ以上木の葉の里に居たら里を滅ぼしてやる｣…｣

『そうなるね〜全く例え方も全部卑劣なもんだよ〜』

｢え、エンリル⁉︎｣

『やあAちゃん
そろそろかな〜と思って君の夢にお邪魔させて貰ったよ〜』

ふっと音も予兆も無く目の前に現れたエンリルにAは純粋に驚いて尻餅を着く。出会い方も変わらず突然現れる始祖様だ

『普通の夢じゃあれだったからメルヘンチックにしたんだけど気に入って貰えた〜？』

｢エンリルの所為だったんだ…まぁただ真っ白も嫌だし良いけど……｢そろそろ｣って…何…？｣

本当は解ってる
でも知らないフリをした
その少年の姿で残酷な事を告げられるであろうと理解しているから

『そろそろ君を僕達側の世界に戻すって事〜』

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