灰色の化物は他世界を歩む【バトスピ】part2

夢の中の遭遇者 ページ12

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｢どこ……夢の……中?｣





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夢の中なら普通、真っ白な
世界等を連想するものだがどうも違う



目の前には社があった

古くから建てられていそうな、立派なもの
赴きを感じさせるその場所は夢だと確信させる





何故なら奈瑞菜が先程いた場所とは
大きく違うからだ

自分は俊太の外傷を治療した後
エトに｢体を休めて下さい｣と言われ
船内で渋々寝に入ったからである







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｢……静か…｣





人の声､擦れる音､風､葉の揺れる音
その全ては聴こえず
まるで世界から抜き取られてしまった様な…



と、その時








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??｢よお!｣


｢!｣






誰も居なかった場所から声が聴こえた

突然目の前には若い男が現れ
奈瑞菜は反射的に半歩下がった



赤茶けの長い髪を結わき
エスニックな服装をしている見覚えの無い男








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｢誰だお前は
何故私の夢に居る?｣



セ｢ここはお前の夢じゃない、此所は
　"夢の場所であってそうじゃない場所"だ

　んで！オレの名はセキト
　宜しくな!奈瑞菜！｣






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馴れ馴れしい
なんともフレンドリーな奴だ←

そもそもどこぞの骨の奴なのか
解らない奴と仲良くしたくない









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｢夢であってそうじゃない場所……?
じゃあ何なんだ、此所は｣


セ｢んー、オレも細けぇ事知らねーんだよな
　そう"アイツ"から聞いただけだしなぁ……｣








首を捻り、｢うーん…｣と唸る
セキトを見ながら

こんな意味不明の奴と話すよりも起きて
デッキの改良でもした方が良いんじゃないだろうかと
自分は思った



そんなセキトは｢気にしたら負けだぜ！｣
なんて事を言うと







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セ｢そう言や……お前､自分は十二神皇に
　選ばれた勇者じゃ無いから何だで悩んでんだろ?｣

｢!?｣







(な……何故…)



何故知っているのだろう
しかも見覚えの無い初対面の男が だ







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セ｢図星って顔だな
　あのなぁ、言っておくとオレからして見れば
　お前もお前んとこの連れも勇者だぜ?｣


｢何を言ってる
勇者は十二神皇に選ばれた者の事を言う筈だ｣






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奈瑞菜がそう言うと
セキトは頭を掻きながら

｢そうじゃねぇんだよなぁー｣と
苦笑のある顔ををする









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セ｢十二神皇に選ばれたから
　勇者じゃねぇんだよ

　もっと根本的なもの､それは意思だ｣



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