救世記＿battlespiritsrevival＿【12の煌めき】 (ページ30)

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持久走やってるんじゃねぇんだぞページ30

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｢ゼー…ゼー…、も、もう無理…｣

暫く全力疾走して誰もいない開けた場所に出れたのは、町からおおよそ3,4キロメートルの距離だった

冬の体育恒例、持久走並の距離だとそう思う
流石のインドア派である自分にとっては地獄とも言える距離なんだが

これ以上走ったら足が使い物にならなくなる気しかしない

零｢…せやねぇ、此所までこれたんなら問題ないやろ｣

セ｢此所まで？｣

ス｢は？どういう事だい!?｣

麻｢み、皆さんは、離れてて下さい！
　あの化け物は…わ、私達で倒します！｣

麻乃の張りのある声が辺りに響き、同時に皆が足を止めた

誰も彼も焦燥と不安と疑問の顔が渦巻いている
そりゃそうだ、あの鴿擬きの化物を彼女は倒すと宣言したのだから

無論心配する事なんて無い
だって、自分を含めたこの三人は特別であるのだ
戦う力を貰った子供だ

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麻｢お願いします…力を貸して下さい！"ミカエル"さん！｣

＿＿パアァッ！

すると麻乃の手の中で蓮の花が生まれた
蓮の尻から陣が瞬き、ギチギチと音を鳴らして根を回し一本の杖と化す
それはまるで何処ぞのカードキャプターを連想させた

まぁ、某カードキャプターの様なピンクの杖ではなく
上に蓮の花が飾られ柄がカラフルに彩られた杖だが

…その杖がかつては"本当の魔術道具"の一つで、"12宮と関連したもの"であり、名をロータスワンドだなんて俺は知る訳もなく

彼女はロータスワンドを地に突き刺すと呪文の詠唱の如く叫んだ

麻｢"Time heals wounds"……!!｣

＿＿ジャララ……ッッッッ!!

鳩1『グググッ！？！？』

鳩2『グルッ！？』

｢あの時の鎖……?｣

突然、真白く歪な徳利型をした体躯に鉛色の鎖が這い、締め付ける

急に何処にもないところから鎖が現れ
鳩擬き達はまんまと捕まってしまった

間違いない
あれはコガビエルの動きを封じる時に使った力だ

麻｢遥さん！零雄さん！早く…！長くは…持ちません…！｣

麻乃の顔にも声も、苦しそうな色を含んでいた

どうやら本当に力を使いこなせていないらしい

彼女は自分が押さえつけている間に倒してほしいのだろう。それを聞いて俺は

｢…解った、来い！"ガブリエル"！｣

零｢来てーや、"ウリエル"！｣

その名を呼べば俺の手に水が生まれ、RPGに出てくる様な氷の大剣が携えられる

零雄も自身の武器を携えたところで
俺達は鳩擬きに目掛けて地を蹴った

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