勝負しようか ページ16
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麻「だ、駄目です!安静にしなきゃ……!」
シ「そうだよ!まだその傷は治っていないんだ!」
言う通りだった
彼女は相当の深手だ。まだ安静にしていなければ傷口は開いてしまうだろう。それは医療の知識がない俺だって解る
つまり、それぐらいスカイの傷は酷かった
麻乃の時みたいに焦ったのは言わずもがなだ
それなのにスカイは首を横に振り、否定の意味を示す
ス「嫌だね、言っただろ油売ってる暇は無いんだって
……"取り返さなきゃなんないのさ"。いや、絶対に取り返す!義賊のあたしに喧嘩売った事後悔させてやる!!」
「!?」
オレンジ色の、まるで夕焼けの色の様な瞳の奥で炎が揺らいだ様に見えた
闘志……否、これは復讐…?憎悪…?
少なからず直感的にこれは放っておいては駄目だと思った。彼女を此所から動かしてはならない
…動かしてしまったら……嫌な予感がする
去ろうとするスカイを止めようと口を開きかけた時、セキトの張りのある声が響いた
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セ「待てスカイ」
ス「何だ、あんたもあたしを止めようって?いくら言われたって答えはNOだよ。あたしの問題なんだから」
セ「うーん…それは困るんだよなぁ…
なぁシレン、お前スカイを止める手立てあるか?」
シ「僕!?」
セ「俺馬鹿だからさー、ここは頭の良いシレンじゃなきゃな!へへ」
笑うのと同時に赤茶毛の髪が揺れる
そもそも本人目の前で作戦会議するってどうなんだろうか?本当、この午の勇者は阿呆の極まりなのか…
流石の状況にツーンとしていたスカイの顔がもう本当何とも言えない顔になってる。完全に馬鹿を見ている表情だ
無理矢理振られたシレンは少し考えると何か思い付いたのか
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シ「怪我人相手にどうかとは思う…けど……、やっぱりバトスピ…かな……?」
セ「よーし!じゃあそれでいこうぜ!
スカイが負けたら傷が治るまで安静、勝ったら俺達はお前を放っておいてやる。バトルする相手はスカイが選んで良い。あ、でもウルズ以外な?」
(それで良いのかよ……)
真面目に負けたらどうするんだ…
そう俺が思っているのを露知らず、スカイの口角が上がる。ああこれは完全に乗せられた奴だと思うのにそう時間はかからなかった
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ス「このあたしと勝負するのかい?良いねやってやろうじゃないか。
そこの優男、あたしとバトルだ!」
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2017年6月15日 20時