science751 ページ43
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1番最初に目に入ったのは家の見慣れた天井ではなく白い無機質な天井だった
あの時もう一度意識を落としてしまったのを思い出す。病院かどこかの医療機関にでも運ばれたのかとぼんやりと思っていると
戦「ゆーちゃん!目が覚めたんだな…良かった」
紫「喜怒哀楽兄起きたの!?」
幻「本当か!?」
龍「心配させやがって!」
一「そうだぞ喜怒哀楽。テメェみーたんを心配さてよぉ…俺もみーたんに心配されたい!」
破「それドン引き案件だって言ってやるけど?」
鏡「おはようございます喜怒哀楽さん。大寝坊ですよ?」
メ「兎に角生きていて良かったですぞ!」
ミ「とんだ息災だったな生物学者」
紗「良かった〜!ね、美空ちゃん!」
美「っ…!本当に心配したんだし…」
熾「おはよう兄さん。今日は私が起こさなくても自分で起きたな」
そこには見慣れた多くの仲間と、どこか懐かしさすら覚えるいくつもの声が聞こえた
戦兎、紫苑、幻徳、龍我、一海、破魔、鏡怪、メフィストフェレス、ミシェル、紗羽、美空、熾織…光騎の姿が見えないがみんなホッとした安堵にも似た表情だった
「一気に喧しくなったなぁ」と思って体を起き上がらせようとすると戦兎が意を汲んでか、ベットの半分が動いて寄りかかれる様になった。どうやらこのベットは電動ベッドであるらしく己の力で起き上がる必要はないらしい
「ありがとうせっちゃん。それと…ごめん」
「ゆーちゃん…?」
口から零れた声音は、自分でも驚く程震えていた
迫り上がる恐怖の感情を一生懸命に押し込んで、堪える様に布団を握り締める。自分自身が逃げ出さない様に、彼等とちゃんと真っ正面から向き合える様に
「皆が知ってる通り…"俺"は暗殺者だ。本当の俺を知られるのが怖くて、ガキの頃から人を殺して来た俺がお前らの様な日の当たる場所に居る奴等と正面から付き合う自信がなくて、今までの口調も全部偽って来た。…嫌われたくなかったんだよ。どうしても」
嫌われたくなかった。戦兎にも仲間にも
だから足掻く様に自らを「僕」とそう偽った
全ては儚く脆く、そして臆病な噓吐き上等種の己が作った偽りの自分自身だ
「謝って許して貰えるなんて思ってねぇ」
許されて貰おう何てこれっぽっちも思はない
既に許されない罪であると知っているから
それでも
「それでも…こんな俺でも……!」
「一緒に居たいんだ」と出かかったその時
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戦「ストップだゆーちゃん」
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時