ANIMA【仮面ライダービルド】＿sedecim＿ (ページ25)

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science733(コロンゾンside) ページ25

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常に太陽の光が届か無いパンドラタワーは逢魔が刻の様に暗かった。一定の時間が経って目が慣れなければものの輪郭を捉える事は出来ない程度の闇がここには広がっている

勿論、大悪魔コロンゾンにそんなものは関係無い
例え肉の器を手に入れたとしても悪魔としての性質が人外の域で働いている為に夜の猫の如き視界の鮮明さがこの瞳に宿っていた。元よりコロンゾンは深淵の主だ、闇と言う概念は魔術的にも己においても味方となる

エ｢よぉ｣

｢…貴様か、エボルト｣

背後から声が響いたがコロンゾンは背を向けたまま、後ろの宇宙人へとは振り返らない。わざわざ顔を見る程でも無いだろう。それに、確かこいつは葛城巧基桐生戦兎に出し抜かれていた筈だ。そんな役立たずに視線を向ける程の価値も無い

宿体の濡れた様な黒髪を細くもしっかりと肉のついた白い指で髪を梳いているとエボルトは皮肉めいた言葉でこう告げる

エ｢お前が俺達を散々に引っ掻き回して待ちに望んだ宿体の調子はどうだザクス？｣

｢は＿＿＿それで貴様の望みも達成されるのだ、その様な些事どうでもよかろう？…安心せよ、全ては順調に事が進む。いくら余を収めるだけの器を持つ人間も最適化には少しばかり刻を消費せねばならぬ｣

何を今更、とコロンゾンは嘲笑したが思考を改めた

成る程。この男は不満を持っているのか
そう言えばこいつが石動惣一の体に憑依している頃、自分は神浄喜怒哀楽の心の闇を満たすべく抑圧されている石動惣一の魂の縛りを緩めたり一時混合させた事がある。神浄喜怒哀楽自身が石動惣一に対して感じた違和感は全てコロンゾンの仕業だ

全ては己の大願を叶える為の礎
感情を得て尚更反抗心を持ったのかもしれないが＿＿＿そもそもだ、"タワーの彼方此方に生まれた魔力の気配"を察する事すら出来ないのならコロンゾンの敵ではない

エ｢！｣

｢クク…今気付いたか？遅い、実に遅いぞエボルト。貴様が悠長に余に悪態をついている間に命知らずの愚か者共が余達の方へ来てしまったではないか｣

そこで、漸くコロンゾンは後ろへ向き直る

視界の先、こちらを見据える人間達の姿があった

取り返しに来たのか。神浄喜怒哀楽を

………嗚呼、なんて命知らずで力の差がこれっぽっちも理解出来ぬ愚かな生き物なんだ

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｢憐れなり、人の子共よ。その友を救うと言う希望…この大悪魔コロンゾンが完膚無きまでに絶望へと変えてやろう………!!｣

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