science331 ページ45
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龍「おい!大丈夫か!?しっかりしろ!」
「っ…うるせぇ…ボロボロなお前が言える事かよ…」
側に寄って此方の両肩を掴み心配してくる龍我に
喜怒哀楽は吐血のせいで掠れた声のまま返した
胸の部分に激痛が走る
自分の所の所長の力で痛みが引いていたのに最近は振り返すばかりだ
…それでも何故だろう、この吐血は胸部の痛みからじゃない…そんな気がする
例えるなら食べ物が口から食道を通り
胃に到達する時、胃が"拒絶して吐いてしまう"感覚に近い
エ「ほら見ろ、強力な力でも聖なるセフィラはお前の体と反発する。それとも"彼奴"はその力と相性が悪いのかねぇ」
「…?何意味解らない事言ってるんだ。例え反発しようが何だろうが、俺がお前と戦う理由は十分過ぎる程あんだ!せっちゃんをあんな風にした事…他人の幼馴染みを…さっちゃんを殺しやがったお前を絶対に許さない!」
エ「……ハッハッハッハッ!__勘違いするなよ喜怒哀楽、暗殺者のお前はそこまで言える資格が無いんだよ」
「っ!!!」
エ「闇の社会に生きるお前は所詮"悪者"に過ぎない
陽の下に生きる事が出来ないならまぁ、立場的には俺達と一緒だな」
嘲げりのまま嗤うエボルトに喜怒哀楽は何も言えなかった
だって、それは間違いなく常に心の何処かで思っている事だったから
どんな事があろうと人を殺している事に変わりはない
社会的に見れば刑事法云々よりも道徳理念で白い目で見られるのは確かだ
これは戦兎が青羽を殺したのはまた別物だ
故意でない殺しより故意あっての殺しの方がうんと悪い
悪意あっての殺しを行う人間がヒーロー気取り何て烏滸がましい
本当は、喜怒哀楽は、正しい立ち居地に立つならば__
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龍「ふざけんな、こいつはそんな奴じゃねぇ!」
「!」
龍「確かに、こいつは今まで人を殺してきたのかもしれない。でもそれが何だよ、あんたが何と言おうと俺達の仲間って事に変わりはねぇ!喜怒哀楽も大切なものを守る為に戦ってんだ!戦兎を助けたい、守りたいから、秘密にしていた事をバラしてまで戦ってんだろ!」
吼える様に聞こえたその言葉に瞠目した
龍我が見ていたのは戦兎だけじゃなかった
喜怒哀楽の背とてしっかりと見ていたんだ
故に彼は許すのだ、秘密にするだけの理由を何となく理解してしまったから
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龍「後は任せろ、ヒーローは…俺だ」
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黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» いえいえ、お気になさらず (2018年5月6日 23時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
ナミビア(プロフ) - 黒神白堊さん» いぇいぇ~突然スミマセン…! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» あー……そうだったんですか…すいません。 (2018年5月6日 22時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
ナミビア(プロフ) - 黒神白堊さん» その事について聞きたかったです…! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» …?ああ、それならはい (2018年5月6日 22時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年4月21日 16時