ANIMA【仮面ライダービルド】＿duo＿

science80 ページ36

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その場に居るだけで絵になってしまいそうな程美しい容姿端麗の顔立ち

濡れる様な黒髪に花飾りを着け、淡い青と紫が差し色として入った白拍子

そんな彼女にはそぐわなそうな炎を纏う蛇達が宙を漂う。炎はまるで恨み怨念が具現化した様に恐ろしく、喜怒哀楽は思わず息を呑んだ。


普段優しげな彼女とは相反し、狂気を感じる
人あらず者の断片を見てしまった様な気がした



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ナ｢チィッ……！術師風情が…｣


浄｢忠告させて頂きますわ｡この場を去りなさい。戦うのは勝手ですが貴方は私には敵わない。それぐらい解る筈でしょう？

　………私に本気を出させない方が身のためですのよ？焼き殺されたく無ければ｣





シュウウッ！とナイトローグをがんじがらめにしている炎蛇達が意思を汲み取った様に威嚇する

浄女も浄女で蛇達と同じくらいの目付きで敵を睨み付けた｡あぁ、あれは完全に殺意を含んでる。口調はいつもの通りを装っているが本当は背後で打つ何て卑怯な真似が浄女は許せないんだろう。怒ってる、間違いなく怒ってるぞ式神さん



敢えて誰も言わなかった


言ったら文字通り｢飛び火｣するのが目に見えているからである



それにナイトローグは苦虫でも噛み潰した様な声で唸り、ある程度情けで緩んでいた炎蛇を振り払うと｢こんな筈では……｣と吐き捨てて煙を巻いて逃げて行った




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戦｢……ゆーちゃんとこの式神凄いな｣


｢うん…僕も初めて浄女が凄いと思った｣





これからは浄女を絶対に怒らせない様にしよう

怒らせたが最後自分は地球上から消滅する


喜怒哀楽がそう心に決めていると、戦兎の治療を済ませた熾織が立ち上がりまた別の人間の治療をしようとある方向へ視線を移す。そう言えば今回のスマッシュは紗羽だったか。

龍我によって倒され、スマッシュにされた事による反動でグッタリとしてしまってる紗羽を戦兎は介抱する。それを見て自分は肩を竦めて嗚呼やっぱりとため息を吐いた




ほら見ろ、やっぱり自分の幼馴染みは御人好しなんだ



人を助けるのに理由何て要らないし、そこに矜持何てものはない



自分自身がそうしたいと望むから例え理解されなくても助けたいと願う





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｢……俺には出来ねぇな､そんなヒーロー｣




独り孤独に呟いた言の葉は、誰にも気付かれる事なく空気に溶けていった


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