暗黙のルール中編 ページ3
工藤 優衣 side
この学校には暗黙のルールがある。
それは絶対に北園寺 羚に合わせること。歯向かっては駄目。
否定なんてしてみな…あっという間に干されてしまう。噂では超お金持ちの西園寺家と互角みたいな…そうじゃないみたいな…。
まぁそんなことどうでもいい…ビンボーな私には関係ないから!
…中古マンションに比べて由利亜は大きな庭とプールつきのでっかい一軒家に住んでて、お父さんが小さいながら会社を持っているっていう。
長谷川 湊斗が無邪気に言う。
「優衣って家小さいやんけ!あれ結構落ち着くんやけど…!それに比べて広い部屋はむなしくなるでー」
褒めてるつもりだろうけど、途中から自慢っぽく聞こえた。
「あっ、このあと部活だよね?由利亜は行くけど羚っちーは行く…?」
由利亜がきゃきゃっと騒ぎ出した。羚っちーなんて呼ぶのは由利亜しかいない。
「…行くか」
気だるそうに席から立つと廊下に出る羚。後ろ姿はとても凛々しかった。
「んじゃ俺たちも行くでー!」
片手をあげ「オーっ!」っと言う由利亜達に私は会わせるように足を運んだ。
「ご、ごめんなさい…」
部活のマネージャーこと同じクラスの愛川 メアリーが震える声をあげた。
彼女は両親がハーフだ。おとなしい性格であまり目立たない。そして何よりも正義感が強い方だ。
そんな彼女に私は腹が立った。
「何がごめんなさいだよ。早く体育館の鍵持ってこいよ。てか、あんたマネージャーやめれば?」
苛立った声に怯えたメアリーが金髪の長い髪を揺らし涙目で職員室に走っていった。
「あっ、そーそっあんたのせいで皆に迷惑かけてること忘れんなよ!」
大声で走り去っていたメアリーに言うと回りの一年が肩を震わせたのがチラッと見えた。
これだけ大声で言ったんだきっと聞こえてる。
湊斗が何か言おうと口を開きかけ、あたしと目が合った途端視線を逸らして黙ってしまう。由利亜は困ったような、少し怒ったような表情を浮かべている。
一年生は中には泣きそうな顔になってる子もいた。
わかってる
ひどいことを言っちゃったって。でも今さら引き返せない。一度爆発してしまったものは、戻せない。このイライラを、やるせなさを、どっかで吐き出さないと、あたしは壊れてしまう。心に溜まる黒い感情をきれいに自分の中で消化できるほど、高校2年生はは大人じゃない。
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夢喰いオバケ(プロフ) - 紫稲さん» お待たせしました!いやぁ……随分待たせちゃいました…すみません(泣) (2017年11月24日 16時) (レス) id: c9a8051ede (このIDを非表示/違反報告)
紫稲(プロフ) - 待ってましたっ! (2017年11月24日 0時) (レス) id: febba97d8d (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - *はなまる*@キチ同盟さん» 楽しみに待っていてくれて嬉しいです!更新頑張ります(*`・ω・)ゞ (2017年8月27日 9時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
*はなまる*@キチ同盟(プロフ) - 2、楽しみにしてました!風邪に気をつけて更新頑張ってくださいw (2017年8月25日 16時) (レス) id: 99309147cc (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 黒月さん» 風邪…なんとか大丈夫ですよwなんとかw更新ボチボチしますぅぇぇぇぇw (2017年8月25日 8時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢喰いオバケ | 作成日時:2017年8月23日 15時