暗黙のルール前編 ページ2
工藤 ゆいside
教室に入ると目の前に小日向 みなみがいて、不本意ながら目が合った。
じとっと粘った湿気を含んでいる腐った魚の目。
みなみは教室のゴミ箱をひっくり返して、中のものを床にばーっと広げていた。鼻をかんだ後の丸めたティッシュ、ルーズリーフの切れ端、お弁当箱のふた、お菓子の空き箱
モノとしての役目を終えてみんなからいらないもの扱いされるようになったゴミたちを前にして、ぺたっと座り込んだみなみ。
笑いたくなるほど違和感のない光景だった。
みなみは、ゴミが似合う。
そしてやり場のない殺意をぶつけるのに、こいつ以上に適した相手がいるだろうか。
「……邪魔なんだけど」
みなみを前にするといつも、自分のものかと疑うような冷たい声が出る。
みなみはちょっと身体を引いて、瞳の中の濁った湿気みたいなどす黒い成分濃度をますます上げて、あたしを見つめてくる。
鳥肌が立ちそうな嫌悪感を覚え、素早く踵を返して自分の席へ。ふふっ、と押し殺した笑い声がする。
もちろんあたしじゃなくて、あたしに邪魔扱いされたみなみに向けられたものだった。
「今の、マジで邪魔だったんですけど」
自分の席について一番、そう言った。
窓側の前から四番目、少し気に入っているこの席は一番仲のいい佐藤 由利亜と隣同士で、北園寺 羚に長谷川 湊斗、いつものメンバーが既に輪を作っている。ずっと一緒に行動してる五人組だ。
それにこの4人組は特別な扱いを受けている
理由は簡単ぼんぼんのご令嬢だから。まぁ私は別だけどね。
ちなみに由利亜と席が隣同士なのは偶然じゃなくて、由利亜が先生に隣同士にしてっとお願いしたからだ。
もう、親友って言っていいかもしれない。それぐらい由利亜はあたしに近いし、あたしは由利亜に近い。
「ほんっと!まーじ!ひとのこと考えろ!」
由利亜がむーっとしながらあたしの言葉を引き取る。由利亜は4人の中で一番のおしゃれ好きで、スカートがあたしより五センチ短い
目鼻立ちが整っていて可愛いほうだし、ものをハッキリ言う性格が男女にもウケている。今は彼氏はいない。
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夢喰いオバケ(プロフ) - 紫稲さん» お待たせしました!いやぁ……随分待たせちゃいました…すみません(泣) (2017年11月24日 16時) (レス) id: c9a8051ede (このIDを非表示/違反報告)
紫稲(プロフ) - 待ってましたっ! (2017年11月24日 0時) (レス) id: febba97d8d (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - *はなまる*@キチ同盟さん» 楽しみに待っていてくれて嬉しいです!更新頑張ります(*`・ω・)ゞ (2017年8月27日 9時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
*はなまる*@キチ同盟(プロフ) - 2、楽しみにしてました!風邪に気をつけて更新頑張ってくださいw (2017年8月25日 16時) (レス) id: 99309147cc (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 黒月さん» 風邪…なんとか大丈夫ですよwなんとかw更新ボチボチしますぅぇぇぇぇw (2017年8月25日 8時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢喰いオバケ | 作成日時:2017年8月23日 15時