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「全く、家を出る前あんなに落ち込んでたのに、帰ってきたらにっこにこで帰ってくるんだもの
最近あんたと話すときも、ゾム君の話ばっかりでしょ？聞かなくてもすぐ分かるわよ」
『ええ・・・さすが彩夏さんというか、何というか・・・』
「今までぼーっと生きてたんじゃないわよ、これでも何回も人を好きになっては別れ
好きになっては別れを繰り返してたんだから」
恋愛経験で言えば、そんじょそこらの女と比べ物にならないわ、と言い
彩夏さんは紅茶をすする
「いい？A、ゾム君は反射的に動いたのかもしれないけど、命を懸けてでもあんたの事を
大事にしてくれる人とは別れちゃ駄目、あの人はこんな事であんたを恨んだりしないわ・・・
私の女の勘は当たるわよ」
『でも・・・』
「でもじゃないわ、明日必ず会いに行きなさい、例え意識が戻っていなくても、必ず」
翌日、彩夏さんの言う通りに、私はゾムさんが搬送された病院に来ていた
彩夏さんは、“急な予定が入った”と言って一緒に来なかったが、多分予定が入ってしまった
というのは嘘だろう
本当は、私がゾムさんと落ち着いて、なおかつ面と向かって話せるようにわざと席を
外したのだと思う
あの人がいると、私は彩夏さんに甘えてしまうだろうから
彩夏さん自身も、子離れのように、私から離れようとしているのかもしれない
受付の看護師からゾムさんの病室を聞き、エレベーターでそこへ向かう
看護師が言うには、もうゾムさんの意識は戻っているらしい
静かに病室のドアを開け、中を覗く
数人が入れる病室だが、入院患者が少なく、ゾムさんしか居なかった
おそるおおそるベッドへ近づき、ゾムさんの様子を見る
彼は寝ていた、刺された時によるショックと、傷が深かったため腹部の手術をしたと聞いたので
体力が落ちているのだろう
『ゾムさん』
小さく呼びかけてみる
反応は無い、だが、かすかに聞こえる呼吸音で生きている事は分かる
外に出るときは日焼け止めを使っているせいなのか、はたまた冬だからなのかは分からないが
常人よりも白い肌のせいで死人のように見える
大丈夫
この人なら大丈夫
看護師さんも、“心配しないでください”って言ってた
でも不安で、すっと手首に手を当てる
中学校の理科の時間に習った、手首の脈の取り方
脈は感じ取れたが、不安は消えない
体温もちゃんと感じる、でも消えない
『・・・・・・ごめんなさい』
自然と、その一言だけが口を出た
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ぬこ(プロフ) - 六作目【魔d!×d!】悪魔が遊びに来た 魔界の主役たちが人間界の主役たちと出会うお話です。夢主ちゃんは出てきません。 (2022年9月4日 11時) (
レス) id: 87bf829c46 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - 再び自分側の不注意で、この作品の編集ができなくなりました。新しい作品が出来た場合、この感想欄に書き込んでいきます。大変申し訳ございません。 (2022年9月4日 11時) (レス) id: 87bf829c46 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - 自分側の不注意で別アカウントで書いていた五作目が編集できなくなりました、なのでこのアカウントで続きを書いていきます。大変申し訳ございません (2022年5月10日 18時) (レス) id: 4da284d929 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - わーい！もし地雷でなければこの後のgrさんの小説もぜひ＾＾ (2021年12月23日 20時) (レス) id: d541392df9 (このIDを非表示/違反報告)
アンテール(プロフ) - 最終話お疲れ様です！お話とても良かったです。(*^^*) (2021年12月23日 9時) (レス) @page45 id: 798525d29d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬこ | 作成日時：2021年10月10日 17時
