宰 ページ3
大袈裟な程に肩を揺らして、びくつかせているそんなAの姿を気にせずにスッと目を細めて何やら観察している太宰はある一点で動いていた目の動きを留めた。
「なぁに、その服?」
黒い服の胸元には白色のリボンであるタイが飾られている。
特に不自然な点はなく、逆に可愛らしいとも云うことの出来る服はセンスの良いものと評価できる。
「首領が選んで下さった服です……。」
「へぇ、これは驚いた。
森さんの趣味だったか……ねぇAちゃん。」
太宰は人差し指でリボンを引っ掛けるとクルクルと指に巻き付ける。
そのせいで皺のない服に少しばかりの線が入った。
先ほどとはうってかわり、甘く身体の自由を奪っていく声に対抗しながら何とか声を絞って言葉を発した。
「……何でしょうか」
指に巻き付けていたリボンを弄るのを辞めたと思いきや、薄らと笑みを貼り付けてしゅるしゅると音を立ててリボンを解いていく。
「«白»だなんて似合わないよ。黒がいいよ。どんな色にも染まらない黒が」
解ききったリボンはかなりの長さがあり、そんなリボンをAの目隠しに使おうと太宰はするが距離を置いたため失敗する。
理性よりも、本能が逃げろと決断したからだ。
反射的行動を取ったAはここで我に返った。
「うん、云う事を聞くこも素直で好きだけれど……簡単に捕まってくれない子を追い詰めて捕まえるというのも楽しいよねぇ?」
刹那、弾かれたようにAは動き距離をさらに取ろうとしたが、逃げる方向を太宰は簡単に予測し、腕を掴む。
「っやだ!」
それでも逃げるように暴れるAに優しく微笑みかける。にこやかに笑う太宰は誰が見ても好感度を上げる笑みだが、逆にAを不安にさせた。
「駄ぁ目辞めない。私ね蛞蝓程力もないからずっとこのままだと疲れて手を離しちゃうかもしれないんだよね。だから少し寝ててくれないかい?」
腕を掴んでいる反対の手で自身のポケットに入っている淡いピンク色の液体を口に含むと、無理やり顎を持ち上げて接吻をするが、なかなか口を開けない。
しかしそこで諦める太宰でもないのだ。
腕に爪がくい込む程に力を込めれば痛みの余りAは呻き声を出す。そこを狙ったのだ。
多少の怪我をさせるのは致し方無かったが口を開けないAが悪いと結論づけた。
コクッと喉が上下に動くのを確認してから接吻を辞めた。
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新那@pixiv小説参戦予定(プロフ) - サラサエビさん» ありがとうございます泣サラサエビ様そう仰って下さると嬉しいです、これからも楽しみにしてくださいね( ´ω` )/ (2017年7月2日 21時) (レス) id: b29d04a7cb (このIDを非表示/違反報告)
サラサエビ - 太宰さんとヤンデレ…最高の組み合わせです!大好きです!これからも楽しみにしていますね(^-^) (2017年6月22日 23時) (レス) id: daadec8c31 (このIDを非表示/違反報告)
新那(プロフ) - 楪風香さん» 楪風香様評価ありがとうございます!本当ですね!!嬉しくて言葉が出てきません……楪風香様の作品読ませて頂いてます何時も通知が来る度に楽しみにしています!!まさか、コメント下さるとは夢にも思いませんでした(><)コメントありがとうございました (2017年6月21日 22時) (レス) id: b29d04a7cb (このIDを非表示/違反報告)
楪風香(プロフ) - 101票目をポチッとな!面白いです!殿堂入りおめでとうです(o^―^o)ニコ (2017年6月21日 21時) (レス) id: 86c9c0f128 (このIDを非表示/違反報告)
新那(プロフ) - すたさん» バレた(/ω\*)、ありがとうございます!そう言ってくださると嬉しいです (2017年6月20日 0時) (レス) id: b29d04a7cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:新那 | 作成日時:2017年6月12日 20時