74匹砕ける。 ページ24
「……もしかしたら、エミさんのデータ、まだ残っとるかもしれん」
そうポツリと呟かれた言葉に、その場全員の表情が変わる。
「……マジ？」
「や、分からん、まだ試しとらんし、本当に極わずかな可能性でしかないんやけど…
なぁトントン、動画のバックアップ、今確認できるか？」
「…出来る、けど……まさかお前、世に出してないバックアップになら『エーミール』がまだ残ってるとかそういう…？」
「そゆこと。」
へらり、笑ってみせた青の名優に、その場の誰もが『ありえない』とでも言いたげな顔を向けた───黄緑の脅威を、除いて。
「いやいや大先生、こんな大掛かりに『エーミール』に関する全て消してのけたやつがそんな爪の甘いことするわけないやろ」
「それがするんだな」
チッチッチ、と音を鳴らし、指を振って、青の名優はニヤリとその口端を吊り上げた。
「だって、エミさんやもん。しとるよ、きっと。」
「…せや、絶対しとる、エミさんなら絶対するわ！
アイツほんまそういうガバ、いつまで経っても抜けきらんもんな」
確証なんてどこにもないはずなのに、嫌に自信満々に言い切った青の名優の言葉に、
集ってから明るい顔を見せていなかった黄緑の脅威が、今日1番の笑顔を浮かべて同意した。
此度集ったメンバーの中で、明確に『エーミール』を覚えている二人がそう明言したのを受けて、疑わしげな表情を浮かべていた他のメンバーは各々、その表情を改めた。
赤の有能も、ため息を深く、ひとつ。
『エーミール』の何もかもが消されてしまった日以降、一切目を通していなかったバックアップに手をつけ始めた。
その場の全員が、赤の有能の一挙一動に着目する。
パソコンの前にぎうぎうに寄せ集まって、動画が再生されるのを、今か今かと待っている。
急かすな、邪魔や、今やっとるやろ、だから邪魔や、黙って待たんかい、と、
自分の周りに詰め寄り、群がり、やいのやいの騒がしく野次を飛ばす面々にお小言を返しながら、赤の有能は手際よくいくつかの動画のバックアップのデータを広げ────
「────いやホンマにおるやないかい！！！！！！！！！！！」
それはもう最早堂々と、拍子抜けするほど当たり前に。
バックアップとして残されている動画に映っている『エーミール』の姿にあんぐりと口を開けて。
勢いのいい大声が、部屋中にこだました。
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きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - エミさん声出し記念7周年の翌日にこれみるとかどんな奇跡だよ…すき… (12月30日 1時) (
レス) @page28 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
烏丸 - すごい…感動出来る……この小説をきっかけにemさんのアンチスレを実際に見てみました…いい意味で生々しいというか、心に響く作品ですね…応援してます！！ (2023年4月5日 14時) (レス) @page24 id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
アルト - 新しい話出てる！久しぶりだぁ…！嬉しいです！！ (2023年4月1日 20時) (レス) @page23 id: 55059b1f92 (このIDを非表示/違反報告)
ひるねる - コメント失礼します！世界観？というか設定？好きです！（語彙力消失）やっぱりこのダサいくらいのエミさんがエミさんやな！（決して本人をバカにしている訳ではありません）更新頑張ってください！(*´∀｀*)尸" (2023年1月23日 3時) (レス) @page22 id: 7cd55c346b (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 続編だぁ！こんなに素敵な小説をいっぱい見れて幸せです〜！ (2022年8月11日 18時) (レス) @page1 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンゴスチン | 作成日時：2022年8月11日 14時
