6匹砕ける。【記憶】 ページ6
「……ｯ皆、トントン以外はまだエミさんのこと覚えとるな？」
水色の狂犬が咄嗟にそう吠える。
茶色の蝶のフォローを欠かさず、
メンバーの中でも特に頻繁に関わっていた彼にとって、
この異常事態は良くないものでしかなかったから。
「覚えてる」
橙の詐欺師が声を震わせる。
「俺も、覚えとるで」
まだ、と桃の小人が不安げに言う。
「…俺もっすわ」
紫の後輩は冷静に答えようと努める。
「大丈夫、覚えとるわ」
青の名優が静かに呟く。
「当たり前やろ」
緑の脅威がそう前を見据える。
「…そんなに大事な人やったん？」
この困惑の発端である赤の有能は眉を顰める。
「ああ。本当に大事な人や、俺らの仲間、メンバーやからな」
「さっきグルちゃんやシャオちゃん、マンちゃんやペ神に連絡入れて…
今返ってきた。
全員、ちゃんと覚えとる。」
「大先生ナイス、らんらんは？」
「どうやろ、連絡はしたけど返事こーへんわ」
まぁ社畜だしな、彼。と納得して話を進める。
「…トントンが記憶失くしたきっかけは…」
「トントンが寝たことやろ、多分。
動画の作り替えも同じ時に行われたって考えた方がええかも。」
「じゃあ俺ら寝てもうたら、エミさんが記憶から消えてしまうんかな」
ぼそり、と桃色の呟き。
…なら、寝なければいいとは言えない。
1日2日くらいならまだしも、人間寝ないで一生過ごすことなんて出来ない。
「…それは流石にないやろ、」
希望的観測を青色が述べる。
その目は、遠くを見据えている。
「ともかく、や！一旦ここは解散！
各自エミさん探しを続けること！な！」
水色が声を張る。
決意に満ちたように見えるその目には不安が潜む。
──もしも、自分たちすら彼を忘れてしまったら。
忘れたことすら忘れてしまったら。
それは酷く悲しくて、恐いことだろう。
そうならないように、全力を尽くさなくては。
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慧羽 - この話ヤバい…めちゃくちゃ泣きました。今ちょうど、好きなユーチューバーがアンチのせいで辞めてしまって、ちょうどアンチにとても怒ってたので、本当に泣きました…。神すぎる作品を作って頂き、ありがとうございます!! (2022年8月11日 20時) (
レス) @page50 id: 55059b1f92 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 半分ファンタジーで、半分は現実でも起こることなんだなぁ。一気に読みました。神小説ありがとうございます。 (2022年8月10日 22時) (レス) @page45 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
ふかふかおふとん??(プロフ) - 神ですね涙がとまらない (2022年8月10日 20時) (レス) id: 1455eebfad (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 何この作品⋯!!神すぎる⋯泣きました。涙腺崩壊です⋯。本当アンチとか群れないとなんにもできないくせにいらないですよね⋯。本当この作品神すぎます。好きです (2022年8月10日 15時) (レス) @page14 id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 泣いた。今もスレとかあるからマジでスレ消したい。アンチとかなんであるんだろなぁ… 自分が叩かれてたらって思ったらゾッとするはずなのに。個性じゃん。この作品マジで神ですね。好きです（唐突） (2022年8月10日 14時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンゴスチン | 作成日時：2022年8月8日 7時
