39匹砕ける。【消滅:青】 ページ39
……おかしい。
「…遅ないかエーミール…」
シッマがエミさん忘れてから、早1週間。
俺にもゾムにもグルッぺンにも、忘れる前兆もクソも起こっとらん。
あんなに皆パンパカ忘れてったのに、急に歯止めがかかったもんやから、不思議で不可解でしゃあない。
と、同時に。
もしかしたらコレ、エミさんの方で自力でエミさん操ってる奴から脱出して、
俺らのとこに戻ってくる前兆なんじゃないか、と期待したりして、
…目の前の光景が変わり始めたことに気がついた。
見慣れた自宅から、どこか覚えのある『ゲーム』空間へ、
変わる、前に。
「っ、『これから名探偵たちに謎を解いてもらいます』…！」
そう、お決まりの文句を唱える。
唱えた瞬間、『ゲーム』空間への変化が鈍って。
代わりに、『名探偵たち』の影が、モヤのようにその場に浮かぶ。
彼らに『皆さんとても素敵ですね』と、これもまたお決まりの文句を唱えると、その影はより一層明確に形を持ち始めた。
言葉を続ける。
「…『ルールはシンプルです』…」
言葉を紡ぎ続ける。
『ルール』を全て口にし終わるまで、気は抜けない。
慣れ親しんだ口上を唱えながら、視線を動かす。
ゲーム空間へ変化し始めていた空間は、次第にその様相を
味のある『イラスト』の空間へと変えていく。
同時に、俺の姿も『イラスト』調に変わっていく。
顔は、人間から『亀』へと変わり、
身に纏う服も、普段のラフな洋服から、格式高いスーツ一式へ。
手にはいつの間にか、煙の燻るパイプが握られていた。
「…『それでは、前置きが長くなりましたが…
本編、スタートです』」
目を瞑り、開ける。
目の前には、戸惑った顔を浮かべた
『名探偵』のエーミールがいた。
「さぁ、エーミール。
『
問題は…せやな、単純に『この空間が作られたのは何故』とかでどうや。」
「…う、つ先生、何で」
「おっとエーミール、さっき説明したばっかのルール、もう忘れたんか？」
へらりと俺が笑ってみせると、
エーミールは、元々困ったような『デザイン』の顔つきを尚更困らせて
じゃあ、と控えめに口を開いた。
「…大先生は、『エーミール』のことを忘れる気は、ない？」
「…いい質問ですね。」
聞ける回数は限られてるのに、答えが決まりきってること聞くなんてセンスないわホンマ。
「『はい』。」
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慧羽 - この話ヤバい…めちゃくちゃ泣きました。今ちょうど、好きなユーチューバーがアンチのせいで辞めてしまって、ちょうどアンチにとても怒ってたので、本当に泣きました…。神すぎる作品を作って頂き、ありがとうございます!! (2022年8月11日 20時) (
レス) @page50 id: 55059b1f92 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 半分ファンタジーで、半分は現実でも起こることなんだなぁ。一気に読みました。神小説ありがとうございます。 (2022年8月10日 22時) (レス) @page45 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
ふかふかおふとん??(プロフ) - 神ですね涙がとまらない (2022年8月10日 20時) (レス) id: 1455eebfad (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 何この作品⋯!!神すぎる⋯泣きました。涙腺崩壊です⋯。本当アンチとか群れないとなんにもできないくせにいらないですよね⋯。本当この作品神すぎます。好きです (2022年8月10日 15時) (レス) @page14 id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 泣いた。今もスレとかあるからマジでスレ消したい。アンチとかなんであるんだろなぁ… 自分が叩かれてたらって思ったらゾッとするはずなのに。個性じゃん。この作品マジで神ですね。好きです（唐突） (2022年8月10日 14時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンゴスチン | 作成日時：2022年8月8日 7時
