34匹砕ける。【進展】 ページ34
『エーミールが、操られている。』
黒の総統からそんな考察を聞かされた3人の反応は三者三様で。
青の名優は『信じられない』という顔をして、「冗談キツイてグルちゃん」と声を震わせ、
黄緑の脅威は「エミさんが、操られてる？」と呆然と繰り返し、その顔に戸惑いを浮かべ、
水色の狂犬は、『自分も同じことを考えていた』とでもいうように、ただ、深く頷いた。
そして、黄緑の脅威がパッと弾かれたように顔を上げた。
「じゃあ、コレ、今の状況、
エミさんの本意じゃ、ないんやな？
エミさんは、俺らと関わりたなくなったわけじゃ、ないんやな？」
黄緑の脅威が、縋るような声色で、どこか期待を滲ませた顔をして、黒の総統に問いかける。
黒の総統は一瞬だけ押し黙る。
押し黙って、消えてからもう数週間も経つ茶の教授を思い出す。
そして、確信と共に口を開いた。
「恐らく…いや、絶対にそうだ。
エミ兄やんが俺らと関わりたくないなんて思うはずない」
黒の総統から返ってきた確かな肯定に、黄緑の脅威は長い息をつく。
安心した。
…ずっと、今の今まで、
『エーミールは自分たちのことを嫌いになってしまったのではないか』
そんな不安が付きまとって、消えてくれなかったから。
「…そか、良かった。」
「……、あ、そんでグルちゃん！
俺らまだ具体策とやら聞いてないで、どうするん？」
考察聞いた感じ、あくまで一般人の俺らにどうこうできそうな相手やないんやけど、と付け加えて青の名優は問う。
「…そうだな、まず先に…コネシマ」
「！なんや」
「お前は意識の世界でエーミールと出会い、
その隙を突いて、情報収集を頼む。
エーミールのことを忘れてしまったメンバーから、
その『意識の世界』についての聞き込みをして欲しい。」
分かった、と水色の狂犬が頷いたのを確認し、黒の総統は青の名優と黄緑の脅威に向き合う。
「さて、『消滅』を防ぐ方法だが…簡潔に言うと、
あちら側があちら側に都合のいい空間を作り上げる前に、
お前たちの方から先に空間を作りあげろ。」
「は？何言うて」
「いや無理やっ」
「無理じゃない、やるんだよ。
まあ安心しろ、手筈は俺が考えておいた。
お前らはただ、それに従えばいい。」
黒の総統の目が強く鋭く光る。
青の名優と黄緑の脅威は、息を飲んでその『手筈』に耳を傾けた。
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慧羽 - この話ヤバい…めちゃくちゃ泣きました。今ちょうど、好きなユーチューバーがアンチのせいで辞めてしまって、ちょうどアンチにとても怒ってたので、本当に泣きました…。神すぎる作品を作って頂き、ありがとうございます!! (2022年8月11日 20時) (
レス) @page50 id: 55059b1f92 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 半分ファンタジーで、半分は現実でも起こることなんだなぁ。一気に読みました。神小説ありがとうございます。 (2022年8月10日 22時) (レス) @page45 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
ふかふかおふとん??(プロフ) - 神ですね涙がとまらない (2022年8月10日 20時) (レス) id: 1455eebfad (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 何この作品⋯!!神すぎる⋯泣きました。涙腺崩壊です⋯。本当アンチとか群れないとなんにもできないくせにいらないですよね⋯。本当この作品神すぎます。好きです (2022年8月10日 15時) (レス) @page14 id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 泣いた。今もスレとかあるからマジでスレ消したい。アンチとかなんであるんだろなぁ… 自分が叩かれてたらって思ったらゾッとするはずなのに。個性じゃん。この作品マジで神ですね。好きです（唐突） (2022年8月10日 14時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンゴスチン | 作成日時：2022年8月8日 7時
