32匹砕ける。【想起:水】 ページ32
──昨日のこと。
どうやらいつの間にか意識を失っていたらしく。
ふと目が覚めて、
真っ先に『エーミール』とかいう奴に関するメモ書きを目に映した。
身に覚えのないメモに恐怖を覚えるまでもなく、
次いで、肩にズクンと重たい痛みが走って、鏡で肩を確認したところ、目に映ったのがこの『銃創』やった。
…厳密に言えば、『銃創っぽい痣』なんやけど。
ゲームの中でもあるまいし。
平和を自称する日本で、銃痕ができるなんて不可解でしかなくて。
できた原因を思い出そうとして───
「…夢の中かなんかでな、ゲームの世界、GMODの世界におった時に
誰かに撃たれたこと、思い出してん」
「ｩｩﾝ…意味分からへん……
シッマのことはなるべく信用したいけどマジでそれは意味分からへん……」
俺の話を真剣に聞いていた大先生が、俺の話が終わった瞬間、顔を両手で覆って緩く首を振る。
あまりにも信用に足らん空想みたいな話したもんやからゾムもぽかんと口を開けてどこか遠くへ行っとるし。
分かるわ、俺もお前らの立場やったら絶対信じない。
でも今回に至っては大真面目なんやって。
と、
ただ1人、興味深げに俺の話を聞いていたグルッぺンが口を開いた。
「他に思い出せることはあるか？」
「そやな、銃を手に持っとった気がする…ほら、動画の、GMOD人狼とかかくれんぼみたいに」
「なるほどな…お前以外に人はいたか？」
俺以外に、人。
「例えば、色素の薄い髪を七三分けにした
シャツやベスト等のフォーマルな服装の
白目の男、とか。
…おらんかったか？」
息を呑む音が聞こえた。俺から、2人から。
記憶を巡らす。あの場に何があった、誰がいた？
巡らして、ふと、『思い出した』。
「おった、そんな感じのやつ。誰かは分からんけど…
もしかして、それが『エミさん』？」
「そうだゾ！
…『エミさん』に関して、何か思い出したか？」
「……悪いけど、全く。」
ただ、そこに『いた』ことと、あとは、何やろ。
俺はやたら、そいつを『助けなければ』と躍起になっていた気が、しなくもない。
……助けなければ？
…一体、何から？
「…なぁ、シッマ撃ったのって、もしかしてエミさん？」
「ちゃう、俺を撃ったのは…多分、その人やなくて、もっと別の何かで……」
そんで。
「最終的に、俺が、その人を撃ったんや」
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慧羽 - この話ヤバい…めちゃくちゃ泣きました。今ちょうど、好きなユーチューバーがアンチのせいで辞めてしまって、ちょうどアンチにとても怒ってたので、本当に泣きました…。神すぎる作品を作って頂き、ありがとうございます!! (2022年8月11日 20時) (
レス) @page50 id: 55059b1f92 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 半分ファンタジーで、半分は現実でも起こることなんだなぁ。一気に読みました。神小説ありがとうございます。 (2022年8月10日 22時) (レス) @page45 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
ふかふかおふとん??(プロフ) - 神ですね涙がとまらない (2022年8月10日 20時) (レス) id: 1455eebfad (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 何この作品⋯!!神すぎる⋯泣きました。涙腺崩壊です⋯。本当アンチとか群れないとなんにもできないくせにいらないですよね⋯。本当この作品神すぎます。好きです (2022年8月10日 15時) (レス) @page14 id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 泣いた。今もスレとかあるからマジでスレ消したい。アンチとかなんであるんだろなぁ… 自分が叩かれてたらって思ったらゾッとするはずなのに。個性じゃん。この作品マジで神ですね。好きです（唐突） (2022年8月10日 14時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンゴスチン | 作成日時：2022年8月8日 7時
