【黒バス】黄色いヒト。【黄瀬】

活動記録*６ ページ8

貴「桜…綺麗…」



桜がヒラヒラと舞い散る中、私は一歩、また一歩と足を進める。


桜って、すぐ散っちゃうんだよね。



こんなに綺麗なのに…もったいないよね。



このピンクの雨が見れるのも、今だけ…なのかぁ。






──すると、どこからか音が聞こえてきた。




貴「？」



それは胸を打たれるような音で、心臓が震えるような音で……。



歩くに連れて大きくなるその音。



だんだんと近づいているみたい。



貴「太鼓？」




ダン…ダンと音が聞こえてきて、聞こえるたびに



心臓が震えて、胸の中で大きく響くような感じになって…。




すると今度はキュッとかガコッ！っていう音まで聞こえてきて…。




貴「キュッ？ガコッ？」




太鼓だったらそんな音じゃなくて、カッ！とか…



太鼓、じゃないのかな？




音の元を探そうと辺りを見回してみると、近くに体育館があった。



どうやら体育館から聞こえているようだ。



音の元はそこという可能性は高い。



体育館に近づいて周りをウロウロしていると、



中で人が何かやっているところが見えた。




…一瞬だったけど。



そして体育館の扉が開いていることに気づき、中を覗いてみようとすると──




貴「───…！」





そこには黄色いヒトが一人でバスケをしていて、


その姿は、とても




生き生きとしていて…


凛々しくて……




この人のことを初めて見たのに、汗を拭く仕草とか、


カッコよくて思わず見とれてしまった。








その姿を見た瞬間、私の中で何か、風が吹いたような気がした───。

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