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「……なんて、言えばいいのかな…」
「…オイ。勿体ぶらずに教えろよ。
オレは一応 協力者だぜ？
成功したら喜ぶし、
失敗したら申し訳ねぇって思っちまうだろ」
「別に勿体ぶってるわけじゃないんだけど…
それに、どっちにしたって
千冬が責任感じる事はないよ。
私なんかよりも 千冬はちーちゃんに貢献してたもん」
「だろうな。…オマエは恋愛とか からっきしだしな」
そんなの、当たり前だ。
揶揄うように言った千冬は
私が少し落ち込んだのを見て
すぐに笑いを止めると"ごめん"と言った。
…仕方ないじゃないか。
恋愛がからっきしとか以前に
興味もないし考えたくもないのだから。
"で、何があったんだ？"と
改めて聞いてくる千冬に
どう伝えようか悩みながら口を開く。
「……告白、してた、んだけど…
結論から言うと、失敗？っていうのかな？
ちーちゃんが上手く逃げたって言うか…」
「…どういう事だよ。逃げたって」
「"好き"とは確かに言ってたんだけど…
後付けで、私の名前 出されちゃった、みたいな？」
「………は？」
「っ、だから…！
"先輩が好きです！"の後に"私の友達が"って
ちーちゃんが付け足しちゃったもので」
どうしよ。
なんて、全然笑えないのだが
私が少し明るめに、笑い話風に話した所
千冬は案の定 話が飲み込めていないのか
口を大きく開けていた。
「…なん、だよ…それ…」
「告白、やっぱり怖かったみたい…
ちーちゃんを怒らないであげて」
「怒るとかそんな話じゃねぇだろ！
つー事は今オマエ、その先輩野郎に
自分の事好きだって思われてんだろ!!?
それでいいのかよ」
「言い訳ないじゃん!!テンパっちゃったよ私!!?
その現場から逃げてきた所なの!!普通ありえる!!?
怖いからって、いくらなんでも私の名前出さないでよ!!」
「お、おう…だよな？」
別にちーちゃんに怒っているわけじゃない。
怖いのは当然だと思うし
逃げちゃった事はもう仕方がない事。
だが…だが！名指しはダメ!!!!
千冬に色々と言われて
穏やかに話していたのに ヒートアップしてしまった。
私の圧に押されて千冬も若干引いている。
「大丈夫かな……」
三ツ谷先輩とも接点ないし話した事はない。
彼が気になって"A"という私の名前を
探そうとしない限り何も怒らないだろうが…
それでも完全に不安は拭えない。
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作者名：結祈華
| 作成日時：2023年2月11日 0時
