検索窓
今日:18 hit、昨日:7 hit、合計:84,033 hit

consult.11 ページ11






「Aちゃんは……今教室にはいないですね
学校には来てるので、戻って______」




「あ!Aちゃん_____!!」








その言葉にギクリとしたAは
思わず足を止め、少しだけ振り返ってみた。


嫌な声が聞こえた、まさかな
と思いながら教室の方を見ると______









「……っ」









銀髪の先輩と、目が合った。




バッと前を向いたAは 何も見なかった、
聞かなかった事にしようとして
その場から走り出した______




タッタッタッと、廊下で走る音が響く。


何故この女は全力で走っているのか、
周りにいる生徒らが不思議そうに
自分を見ている視線を感じる。


だが今はそんな事どうでも良い。


Aはひたすらに、
三ツ谷先輩と関わりたくなかったのだ。


そもそも男子と極力関わりたくないと
思っているAは、逃げる選択肢が1番に出てくる。









「(うわあああああ、何でこうなるの…っ)」









自分が走っている理由、
三ツ谷先輩が自分を訪ねてくる理由…
もう色々ごちゃ混ぜになり、頭がパンクしそう









「(千冬ぅーーーっ、助けてよ…)」









こういう時、いつものように
幼馴染である千冬に助けを求めるA。


だが、学校も違う彼に 今助けを求めたって意味はない。


"オレと同じ学校に来りゃ良かったのによ"、
いつしか 口を尖らせながら言った千冬が頭に浮かんだ。


本当にその通りだと思う、今痛感してる。




自分のことにいっぱいいっぱいで、
後ろから追って来ているのかは知らない。


でもまさか、追ってくる
なんてことはないだろう……と信じたい。

でもでも、妙に自分のものではない足音が
後ろから聞こえる気がするんだが……気のせい、か?




一直線の廊下を走っていると、
いつのまにかトイレは通り過ぎてしまった。


階段に差し掛かかり、
上るよりも下る方が楽だし走りやすいと思って
階段を下ろうとした。

が、その時
階段に足を踏み外してしまい 体は前のめりに倒れていく









「(っ、やばっ)」









ヤバいと思ってからではもう遅くて、
体をどうすることも出来ない。


階段から落ちる痛みは想像よりも痛いだろう。


目をギュッと閉じ、痛みを待つA。




だがその時、Aの腕が誰かに掴まれて

その誰かに、グイッと後ろへ引かれた。









 









「_____っぶねぇ……」




「え…?」









来るはずの痛みが来ない、背中に何か温もりを感じる。


よく分からない現状に、
Aは閉じていた目を開けると
自分の後ろから体に回される腕に気づく。


その腕を辿るように 顔を上に向けてみれば、
そこにはあの先輩がいて…

先輩が追いかけてきていた事を今理解した。

consult.12→←consult.10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
313人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。