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80.同情 ページ30






欠伸を何度もして眠そうに見える彼女は
猫のように見えた。Aのもう一つの姿は猫。
だから、というわけでもないだろうが
猫的な性格も混じっているのかもしれない。
さながら、日向ぼっこして寝ていたい猫のよう。









「こうなるって分かってたならアラームかけたのに」









"そうだな"と短く伏黒は返した。五条から2人とも
虎杖の処遇についての説明は先程電話でされた。
そもそも、色々と五条も想像がついていただろうに。
前もって教えてくれても良かった。









「にしても、虎杖くんも何というか…
色々と大変な時期にあたっちゃったね」




「事態が事態だから仕方ないけどな。
五条先生も、何もこんな日に」




「それは私達もだけどね。タイミング悪いとは言え、
喪中の時に押しかけちゃったし」









伏黒から話を聞いた、彼の叔父が丁度
昨夕に亡くなった事。
病院で容赦なく尋ねた伏黒だが、更に加えて
五条は今日 火葬する日に押しかけていた。

五条に言われた場所というのは言わずもその火葬場。
複雑な気しかしない。









「……アイツ、高専に入ると思うか?」









伏黒は少し心配しているのか、
悩んでいる表情でそう呟いた。

虎杖に与えられた選択肢は2つ。
今すぐ死ぬか、宿儺の指全て喰って死ぬか。

結局の所、彼にそれ以外の選択肢はなくて。









「……多分、虎杖くんなら入ると思うよ。
そんなの、今すぐ死ぬ選択肢を選ぶよりも…
きっと彼なら誰か少しでも助けたいって。
そんな人だと思うから」









全く知らない野良猫なんかに命を投げた人。
それにきっと、死ぬ事なんて
彼には到底受け入れられないだろう。









「…アイツの事気に入ってんのは、
やっぱオマエじゃないのか」




「だから、それは恵。
それに私は……ううん、何でもない」




「なんだよ…」









伏黒の追及にAはこれ以上何も答えなかった。
A自身、伏黒に言っても
分からないことだと思ったから。




_____訳があるとはいえ、
人ではなくなってしまった彼に少しだけ………
知らぬ間に同情しているだけ、なのだから。

気にかかるのは彼にとっては不服だろうが、
人ならざる自分と重ねてしまっているから。

81.遺言→←79.気不味い



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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時

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