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74.制御 ページ24






「まったく。
いつの時代でもやっかいなものだな。呪術師は」









宿儺はビキビキと体に血管が浮き出る程の力を入れ、
そのまま五条の方目掛けて片腕を一振りする。
その瞬間、まるで爆発が起きたかのように
真っ白な砂埃が上がった。瓦礫も散り散りだ。









「だからどうという話でもない、が……」




「_____7、8」









誰かがカウントする声が響く。声を詰まらせた宿儺。
その訳は、砂埃が晴れてから見えた無傷で立つ
五条の姿にあった。

宿儺との間には先程の衝撃で出来た溝があり、
五条の隣に座り込む伏黒とAはホッと息をつく。









「9」









そんな五条の周りには
瓦礫が止まったように宙に浮いていた。









「そろそろかな」









10へのカウントが近づいた時、
宿儺は体に異変を感じた。
段々と意識がなくなっていく感覚。
それは間違いなく体の持ち主である虎杖のせい。









「(クソ!まただ!乗っ取れない!!
この虎杖とかいう小僧…何者、だ…!!?)」









 









「おっ、大丈夫だった?」









次に目を開けた彼は別人。
人格は虎杖へと戻っているようだった。









「驚いた。本当に制御できてるよ」









術式を解いた五条の周りに浮いていた瓦礫が
音を立てて落ちていく。そのまま虎杖の方へ歩く五条。









「でもちょっとうるせーんだよな。アイツの声がする」




「それで済んでるのが奇跡だよ」









頭をガンガンと叩く虎杖に五条が近付く。

そして、五条が人差し指と中指をくっ付けて立てると
その指を虎杖の額へトンッとつけた。
次の瞬間 虎杖の目は閉じていき、
足から崩れるように倒れ込む。
そこを五条は虎杖の倒れた体を片手で支えた。









「何したんですか」




「気絶させたの。
これで目覚めた時、宿儺に体を奪われていなかったら
彼には器の可能性がある」









"重ッ"と小さな声で呟きながら虎杖を担ぐ五条に対して
言いたい事はあるけれど言えない伏黒と
Aはただ見つめる。

何か言いたげな顔を察してか、
尋ねるように五条は口を開く。









「さて、ここでクエスチョン。彼をどうするべきかな」




「……仮に器だとしても、
呪術規定にのっとれば虎杖は死刑対象です」









そんな質問の答えなど決まっている…筈。でも、
先に開いた伏黒の口から出たのはそれに反く本音。









「でも、死なせたくありません」









伏黒の真っ直ぐな目と言葉に五条は否定する事もなく、
笑みを浮かべたまま伏黒を見る。

75.私情→←73.五条と宿儺



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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時

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