61.圧 ページ11
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呪物も持たない彼にこれ以上要はないし、
ましてや連れて行く必要もない。
だが、ここから学校までの
最短ルートを知っているのは現地に住む彼だろう。
案内を促す伏黒の切羽詰まった顔に
虎杖はそれ以上何もいえず、
返事をすると2人はそのまま足を動かし出した。
・
「お札ってそんな簡単にとれんの?」
「いや 呪力のない人間にはまず無理だ!普通はな!」
虎杖を前にして走る伏黒。
道中、足を緩める事なく虎杖が
後ろの伏黒へ顔を向けて疑問を投げ掛ければ、
伏黒はただ前だけを見て答えた。
「今回のは中のモノが強すぎる!封印も年代物。
紙切れ同然だ!」
焦る伏黒に代わり、虎杖は半ば半信半疑だった。
"呪い"の話は嘘ではないのだろうが
いまいちピンとこず、信じられない。
勢い余って走っているのは構わないが、
伏黒がただの痛い人だったらとつい考えてしまう。
そんな時、ふと足は止まった。……止めさせられた。
ゾアッ
ズズズズ…
学校が見えかけたその時、
何か 風のようなものが虎杖達の体を吹き抜けた。
…違う、これは風じゃない。
これは、
ブーッ
背後から何か小さな音がして伏黒の方へ振り返る虎杖。
伏黒は携帯を手にしてその画面を見ていた、
という事なので恐らく誰かから連絡があったのか。
そして、伏黒は更に、怖いほど
真剣な表情を浮かべて携帯をポケットにしまうと
虎杖の横を通り過ぎて学校の方へと近づいた。
アイツからの、
「オマエはここにいろ。部室はどこだ?」
虎杖は伏黒の言葉に1人で
この学校に入るつもりなのだと知り、目を見開いた。
「待てよ!俺も行く!やばいんだろ!?」
学校を改めて見てみれば…見なくとも
体が感じるこの圧は状況が悪い事を意味していた。
数分前まで信じ難かった伏黒の言葉が
少しずつ確信へと虎杖の中で変わっていく。
…だが、正直体が動かない。
言葉で並べ立てようとも、自分の足は震えていた。
校内にいる先輩が…_____死ぬかもしれない。
二月やそこらの付き合いではあるが友達、
放って置けない。
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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時