【呪術廻戦】マガイモノの呪術師

52.呪物の回収 ページ2

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案内は順調でAのお陰で
学校に迷う事もなく無事に辿り着いた。


静かに侵入し、呪物のある場所へと向かう。









「外、だよね？」




「百葉箱、だからな。外しかないだろ」









何で百葉箱？


呪物の保管場所が学校の百葉箱だなんて
不用心というか何というか。


どちらにせよ、既に置いてあるのだから
こちらが何かを言っても意味はない。









「ほんと、こんな所に特級呪物保管するとか
バカすぎるでしょ」




「ほら、逆のパターンかもしれないよ。
こんな所に保管する訳ない、みたいに」




「に、したってな……」




「とりあえず、早く回収しようか」









この学校は居心地が悪い。


複雑な気配を感じる中、
伏黒が先に前に出ると百葉箱の扉をゆっくり開ける。


………だが、そこには何もなかった。









「え」









戸惑いの声を上げるAの一方、
伏黒は百葉箱を入念に調べていた。


扉を何度も開け閉めしたり、のっかったり、
下を覗き込んだり、それはもう色々と…


伏黒と顔を合わせ、首を横に振ると
伏黒は五条に電話した。









「ないですよ」




『…え？』




「百葉箱、空っぽです」




『マジで？ウケるね〜。夜のお散歩かな？』




「ぶん殴りますよ」









電話越しの五条の声は相変わらず呑気で
伏黒は眉を寄せる。


そんな伏黒の怒りを節々と感じて
Aは何となく五条の態度が
いつも通りなのだと想像出来てしまう。


緊急事態なのに。









『それ、取り戻すまで帰ってきちゃダメだから』




「……今度マジで殴ろう」









ブチっと電話を切られ、
伏黒が静かに耳から携帯を離すと
固くそう誓うように呟いた。


すると今度はAの携帯が音を鳴らす。


画面を確認してみるとまさかの五条からで
応答ボタンを押してAは電話に出た。









「先生？どうかしました？」




『あ、A？僕だけど。
大変みたいだね。特級呪物が行方不明って』




「……他人事みたいに言わないで下さい」









"え？だって他人事だもん"と
自分は関係ないという言葉が
聞こえた気がしたが気のせいだろう、きっと。









『それよりさ、言い忘れてたけど
君達が休める場所は確保しておいたから。
後でAにそこの場所、メールしておくね』




「分かりました。
でも、さっき恵に伝えればよかったんじゃ」




『そんなの決まってるよ。
Aの声が聞きたかったから♡』









何も言葉が返せない。

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