それ、わたしじゃないです。４【佐野万次郎】

rumor,140 ページ5

・









そう言われて、連れて来られたのは女子トイレ。


私がさっきまでいた所だ…


……ってか、トイレで私 色々話しすぎじゃね？

トイレは会話する場所じゃねぇのに。


しかもこの子達…

私話した事ないし、ほぼ初対面だし…


何話されんの、何怒られんの、この人達に…









「あ、あの……ご用件は…」




「あなた、知ってるよね。
私達のクラスの唯ちゃん」




「優衣ちゃんが
佐野くんと付き合ってるって事!!」




「うん…それは、ね」









むしろ知らない人は
いないんじゃないかなってレベルで
皆知ってるよね









「だったら、何で佐野くんは
唯ちゃんと話す時間よりも
あなたと話してる時間の方が長いのよ」









いや、知らねぇ……


あいつが勝手にくるんだよ、私関係ない









「朝もさっきの休み時間も…

佐野くん、唯ちゃんよりも
あなたに話に行ってたみたいだけど…」




「まあ、確かに…佐野は私のとこに来たけど」




「どうして!!?」









いや、知らん……あいつが勝手に…









「あなた、何か佐野くんにしたんでしょ!!?」




「な、何をするの!?私があいつに…

そもそも、私は佐野に何も言ってないし
あいつが勝手に教室に来るの！

……というか、あなた達は その…
唯さんの…友達______？」




「と、友達!!?友達なんて烏滸がましい!!」




「(……何、烏滸がましいって…
何かこの人達面倒くさそう…
友達じゃないって事は…他人？)」




「私達は、唯ちゃんを応援してる者!!」




「ファンクラブのメンバーよ」









……え




私は思わず口を開けて
ポカンと彼女達を見ながら固まってしまった。




ファンクラブ…
まじであったんだ、唯さんのファンクラブ…




モテモテで人気のある唯さんだ。


ファンクラブもあってもおかしくない、
…とは思ってたけど、
まさか本当に実在するとは。




……ってことは、彼女達は今
かわいいかわいい唯さんの彼氏である佐野が
私と一緒に話している事について私に怒ってる


怒るとしたら
そりゃまあ、当然っちゃ当然か…




何か、こう…唯さんのファンクラとかあると
佐野のファンクラとかもありそうな気がして…

いや、こっわ……この学校の生徒怖………









「実は雪村さん、佐野くんの事が好きで
唯ちゃんから佐野くん奪おうとか
考えてない？」




「ッ！考えてるわけない!!何でそうなるの！」

rumor,141→←rumor,139

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す