rumor,158 ページ38
弱音を吐いた千冬を
雪村は笑いもせず、笑い返してくれた。
「(………あいつを振り向かせるどころか、
オレがあいつに惹かれっぱなし、か……)」
雪村には、一生勝てない______
ふと千冬が顔を上げれば、
校舎から歩いてくる雪村の姿が見えた。
その姿に、千冬は目を見開いた。
雪村は……彼女は下を向いていて、
朝のように何か悩んでるような、
疲れているような雰囲気を纏っていた。
……彼女を悩ませているのは、やはりマイキーなのか…
そう思ったら…気付いたら、
「______A!!」
彼女の名前を叫んでいた。
それに気付いて雪村が顔を上げて、
千冬と雪村は目があった。
手を上げてニッと笑顔を向ければ、
彼女がこっちに向かって走り出してくる。
そんな姿を見て千冬は、可愛いなと思ったり…
今、目の前の彼女は誰でもない、
自分の為に走ってきてくれていると思ったら
とんでもなく嬉しい気持ちになった。
"待たせた、ごめんね"と謝る彼女に
千冬が、早く会いたかったからと答えれば
彼女は顔を赤らめていて、思わずニヤけてしまう。
するの、雪村の方から 放課後を
"楽しみにしてた"事を告げられて
嬉しく思った千冬は手を握って歩き出す。
突然握られた事に、雪村は慌てる。
まあそれもそうか…
何て思っていた千冬だが、
恥ずかしくて照れているだけではない…そう感じた。
……周りにいる生徒らが、自分と雪村を見て
コソコソと話している声が
やっと千冬の耳に入る。
自分の隣にいる子は彼女なのか、
この学校の先輩だ、とか……
それを聞いて、
繋いでいる雪村の手が微かに…震え出す。
同時に顔色も良いものでは無くなっていって…
聞いてみれば、今の状況を噂されるのが怖いと言った。
今の状況…それは、
自分と雪村が付き合っているという噂が流れる事。
雪村が噂に何のトラウマを…
嫌な思いをしたのかは分からない。
何か、噂を流された事がある
と言うことなのは分かるが…
それならば、
「オレが上書きしてやるよ」
怖いとか嫌だなとか…
噂されるのをそう思ってる雪村に
そんな思いを上書きさせて、
怖いなんて思わないように
自分との噂を作ることで
彼女のそんな気持ちを上書きしようと考えた。
そのまま千冬は繋いでいた手の指を
絡めるような握り方に変えて、
そのまま歩き出す。
……さっきまでの震えは、消えていた。
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加藤 - ほんとにこのお話好きです((頑張ってください!!待ってます！(^^) (2021年10月10日 4時) (
レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - 加藤さん» 面白いお話なんて言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます!!更新出来る様に頑張っておりますのでもう少しお待ち下さい！コメントありがとうございます!! (2021年10月9日 22時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
加藤 - とても面白いお話で更新されるのが待ち遠しいです！楽しみにしてます (2021年10月9日 9時) (レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - がーべらさん» そうなんですよ、限界が…()オールおっけぃですか！なら良かったです(オイ)今後の展開に色々悩んでおりますが、お待ち頂けたら嬉しいです！いつもコメントありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» いえいえ、そんな…！あっちこっちでコメント嬉しいですよ!!ありがとうございます!!えっ、えっ!!?伝わりました!!?()マイキーと千冬の2人に少しでも重ねられたらと思ってたのですが…みー様に伝わって嬉しいです！ありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結祈華
| 作成日時：2021年9月19日 0時
