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rumor,156 ページ36

「…その使用方法をお聞きしても?
さっき、シャッター音聞こえたのは
私の聞き間違いかな?」




「猫とガラス越しに戯れてて
ニコニコして可愛かったAの事
撮ったりしてないよ?」




「撮ってんじゃん!!?
しかも見てんじゃん!!?いつから!!?」









相変わらず笑みを崩さない千冬…


私は顔を真っ赤にしながら千冬に歩み、
千冬の手にあった携帯に手を伸ばす。


でも千冬はその手を更に高く上へと上げて、
私が背伸びしても届かなくなってしまった。









「ッ、千冬!今の消して!」




「…やだ」




「〜ッ、やだじゃない!!私だってやなの!!」









精一杯背伸びして、
千冬の携帯に手を伸ばす私。


…だから、今の自分の格好なんて気付けない。


私は千冬の体に左手を置き、右手を伸ばす…

そのせいで外から見れば、
私が千冬に迫っているように見えるなんて
私は気づけない。









「ッ、オ、イ…A」









千冬の顔が赤いのにも気付けない。


すると千冬はバッと素早い動きで
携帯を自分のバッグに閉まってしまった。









「あーー!!ダメ!しまっちゃ!消して!消せ!!」




「良いじゃん。
スゲェ可愛かった、さっきのA
いつも可愛いけどな」




「〜ッ、何で千冬はそういう事、
いつもいつも…」









ほんっっと、慣れない…いつまで経っても…


私は、目の前の千冬が
写真を消してくれるのは難しいと判断して
彼から離れるように一歩後ろへ下がる。









「…………自分の、
飼い猫のこと思い出してたのか?」




「!…え?」




「あ、いや……何か、
泣きそうな顔っつーか、
寂しそうな顔だったっつーか…」









本当に、最初から見てたんだなって…
千冬の言葉で分かった。


でも、千冬が私を見る目は
心配してくれているような目で
少し、心が暖かくなった。


不機嫌だった自分の顔が
緩んでって、千冬に微笑むのが分かった。









「…やっぱり、猫好きなんだなって
この猫見て思っちゃった…」




「!……」




「猫見ると思い出しちゃって、
悲しくなるのに、ね………
好きなものは好きなんだ」









目を細めて、横にいるガラス越しの猫に
目をやれば、その猫と目があった。


ほら……可愛い…


でも、飼うのはやっぱり……怖いな

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加藤 - ほんとにこのお話好きです((頑張ってください!!待ってます!(^^) (2021年10月10日 4時) (レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - 加藤さん» 面白いお話なんて言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます!!更新出来る様に頑張っておりますのでもう少しお待ち下さい!コメントありがとうございます!! (2021年10月9日 22時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
加藤 - とても面白いお話で更新されるのが待ち遠しいです!楽しみにしてます (2021年10月9日 9時) (レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - がーべらさん» そうなんですよ、限界が…()オールおっけぃですか!なら良かったです(オイ)今後の展開に色々悩んでおりますが、お待ち頂けたら嬉しいです!いつもコメントありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» いえいえ、そんな…!あっちこっちでコメント嬉しいですよ!!ありがとうございます!!えっ、えっ!!?伝わりました!!?()マイキーと千冬の2人に少しでも重ねられたらと思ってたのですが…みー様に伝わって嬉しいです!ありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年9月19日 0時

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