rumor,152 ページ32
千冬の指差す方向には、
この店のチラシが壁に貼ってあって…
そこに書かれていたのは______
[今ならカップル様ご利用で、
ドーナツ1個サービス!!!]
「ドーナツ…サービス……カップ、ル………」
チラシに書いてある文面の単語を
声に出して読む私。
その文字を見て、
何となく…横目で千冬の事を見てしまった。
「どうした？A」
「〜ッ」
千冬はニヤッと笑っていて、
分かってる筈なのに
分からないという言葉を私に言う。
そんな千冬を見て顔が熱くなって…
私はバッと顔を逸らした。
「(どうしたって、絶対分かってる癖に…
そんな楽しそうにニヤニヤして…ッ)」
カップル………ドーナツ
千冬とカップルのフリをすれば
ドーナツが1個……
どうせドーナツ買うのなら、
そりゃ もう1個貰えたら嬉しい。
ぅぅ、ドーナツの為なら
千冬にカップルのフリして下さいって頼むか!?
頼めるか!?私!!?
「……ぅ、ち、ふゆ？」
「何だ？さっきから…顔赤ぇし」
「それ、言うな！」
ちゃんと、千冬と向き合うように立って
顔を上げて千冬を見る。
ドーナツの為…これも、ドーナツの為…
じゃなかったら、私は今から
こう言う事言わないから！
一生に一度だけだ！こんな事言うのは！
「…お願いが、あり、ます…」
「そのお願いって、何？」
言ってるそばから、
千冬はさりげなく私の手を絡めて握ってきては
密着して来た。
オイ……気が早ぇよ、
私まだ何も言っとらんだろ、察するな、バカ
「…わた、しと……カップル、の…フリ、を…
して、ほし、く、て……」
段々と、自分の声が小さくなっていく。
千冬を見て言うつもりだったのに、
結局顔も下に降りていってしまって…
恥ずかしすぎて死ねる、もう！
「オレはフリじゃなくても良いけど？」
「ッ」
「…ははっ、悪い、
ちょっと意地悪しすぎたな」
もう限界な私の頭を、
千冬は繋いでない方の手で撫でてきた。
そのまま行こうと千冬に手を引かれ、
レジの方へと進む私。
「ま、おまえが言わなくても
こうやって手繋いでるだけで
カップルに見えてたと思うけどな」
「なッ!!?だったら…！
言わなく、ても…良かった…」
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加藤 - ほんとにこのお話好きです((頑張ってください!!待ってます！(^^) (2021年10月10日 4時) (
レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - 加藤さん» 面白いお話なんて言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます!!更新出来る様に頑張っておりますのでもう少しお待ち下さい！コメントありがとうございます!! (2021年10月9日 22時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
加藤 - とても面白いお話で更新されるのが待ち遠しいです！楽しみにしてます (2021年10月9日 9時) (レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - がーべらさん» そうなんですよ、限界が…()オールおっけぃですか！なら良かったです(オイ)今後の展開に色々悩んでおりますが、お待ち頂けたら嬉しいです！いつもコメントありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» いえいえ、そんな…！あっちこっちでコメント嬉しいですよ!!ありがとうございます!!えっ、えっ!!?伝わりました!!?()マイキーと千冬の2人に少しでも重ねられたらと思ってたのですが…みー様に伝わって嬉しいです！ありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結祈華
| 作成日時：2021年9月19日 0時
